Windows HotFix Briefings
(2005年6月24日版)

―― 修正プログラム適用に関する問題点、不具合情報の隔週レポート ――

DA Lab Windowsセキュリティ
2005/06/24

このHotFix Briefingsでは、HotFixの公開後に明らかになった問題点や不具合、各種情報ソースで明らかにされた脆弱性などの情報を隔週でまとめてお届けします。
 
[ツール情報]
Windows Server 2003 SP1自動更新ブロック・ツールが公開

情報の内容 ツール情報
情報ソース マイクロソフト
報告日 2005/06/22
対象環境 Windows Server 2003

 米Microsoftは、6月21日、自動更新やWindows Update、Microsoft UpdateによるWindows Server 2003 Service Pack 1(以下SP1)の適用を一時的に延期するツール(ブロッキング・ツール)を公開した。

 Windows Server 2003 SP1はすでにダウンロード・センターにて公開済みだが、自動更新への登録は7月26日(米国時間)が予定されている。まだSP1を適用していないWindows Server 2003コンピュータで、自動更新が有効化されている場合、マイクロソフトが自動更新サイトにSP1を登録した時点から自動的なダウンロードとインストールが実行されることになる(ダウンロードやインストールを自動実行するように設定している場合)。

 しかし、SP1の適用による互換性検証作業が完了していない場合には、SP1の自動インストールによって不具合が発生する恐れもある。今回提供されたツールは、こうした自動更新でのSP1のインストールや、Windows Update/Microsoft UpdateでのSP1の適用を一時的に延期するものだ。延期の期限は2006年3月30日で、これ以降はブロッキング・ツールを実行していても、自動更新/Windows Update/Microsoft UpdateからSP1がインストール可能になる。

 これと同様のツールは、Windows XP SP2向けにも提供されていた。内容はほぼ同等なので、ツールの詳細については、XP SP2のブロッキング・ツールを解説した以下の記事が参考になるだろう。

 
[修正プログラムの更新]
MS05-019の更新版が公開。適用による複数の不具合を解消したバージョン

情報の内容 修正プログラムの更新
情報ソース マイクロソフト
報告日 2005/06/15
対象環境 Windows 2000/Windows XP/Windows Server 2003

 マイクロソフトは、2005年6月15日、4月度の月例修正としてすでに公開済みのMS05-019(TCP/IPの脆弱性により、リモートでコードが実行され、サービス拒否が起こる)の更新版修正プログラムを公開した。本コーナーでもすでにお伝えしたとおり、MS05-019を適用すると、一部のネットワーク機能が働かなくなるなどの不具合が発生していた。

 今回の更新版は、これらの不具合を修正したバージョンである。更新の内容については、以下のセキュリティ情報の「このセキュリティ更新プログラムに関するよく寄せられる質問」を参照されたい。

 すでに旧版のMS05-019の修正プログラムを適用している場合でも、公開提供された更新版を再適用すべきだ。この場合でも、旧版のMS05-019の修正プログラムをアンインストールする必要はなく、更新版を直接上書き適用すればよい。

 なお一部の不具合は、Windows Server 2003 SP1の適用によっても発生するとされているが、Windows Server 2003 SP1に対応したMS05-019の更新版は、原稿執筆時点ではマイクロソフト・プロダクト・サポート・サービスへ連絡することで入手可能だ。

 
[修正プログラム情報]
Windows XP SP2のOutlook Expressの不具合を解消する修正プログラムが公開

情報の内容 修正プログラム情報
情報ソース マイクロソフト
報告日 2005/06/18
対象環境 Windows XP SP2

 マイクロソフトは、Windows XP SP2に付属するOutlook Expressの複数の不具合を解消する修正プログラムを公開した。具体的には、次の不具合を修正する。

  • 件名に「begin」という単語があると、メッセージが正しく処理されない

  • 閲覧済ニュース・メッセージの表示が不正になる

  • Outlook Expressがハングアップする

 セキュリティ・ホールではないが、ハングアップなど重大な不具合なので、Windows XP SP2環境でOutlook Expressを利用している場合には適用を検討すべきだろう。

 
[修正プログラム情報]
SQL Server 2000 SP4のAWE有効時の物理メモリ管理に関する修正プログラムが公開

情報の内容 修正プログラム情報
情報ソース マイクロソフト
報告日 2005/06/21
対象環境 SQL Server 2000 SP4(32bit x86版)

 5月6日に公開されたSQL Server 2000 SP4において、AWEを有効にしていると、物理メモリの半分までしかアクセスできないという不具合があったが、それを修正するプログラムが公開された。通常のWindows OS上のアプリケーションでは、最大でも2Gもしくは3Gbytesまでのメモリ空間を利用することができるが、AWE(Address Windowing Extensions)APIを利用すると、最大物理メモリ・サイズまでの大容量のメモリを利用することができる。だがSQL Server 2000 SP4には問題があり、AWE機能を使用しても、物理メモリ・サイズの半分までしか利用することができなかった。


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