情報の内容 |
最新Service Pack情報、不具合情報 |
情報ソース |
マイクロソフト、セキュリティ情報サイト |
報告日 |
2005/04/19 |
対象環境 |
Windows 2000/Windows XP/Windows Server 2003 |
2005年4月19日より、Windows Server 2003 Service Pack 1(以下SP1)の提供が開始された。Windows Server 2003 SP1の詳細については、関連記事を参照されたい。
このWindows Server 2003 SP1について、インストールによって発生する不具合や互換性問題に関する情報が公開され始めた。マイクロソフトは、自社製品を始めとする各種アプリケーションとWindows Server 2003 SP1との互換性について、以下のページにまとめている。
以下では、Windows Server 2003 SP1の適用前の準備用として、これまでに分かっている不具合情報、互換性情報についてまとめる。マイクロソフトのサポート技術情報を中心に紹介するが、情報によってはWindows Server 2003 SP1の開発途中版(ベータ版など)を対象にしているものもあり、最終版での影響が不明なものもある。これらについても、参考のため併せてご紹介する。情報を参照するときには、情報の対象バージョンに注意してほしい。また正式な日本語ページ(機械翻訳ではないページ)が公開されているものについてはそちらを掲載するが、そうでないページについては英語ページを掲載した。
なおこれらWindows Server 2003 SP1のインストールに関する不具合情報は、以下のセキュリティ関連情報の掲示板(HotFix Report BBS)にまとまっており、順次最新情報が追加されているので定期的にチェックするとよいだろう。
■リモート・アクセス接続不可/共有ファイル使用不可/WANでのドメイン・コントローラのレプリケーションに失敗する
MS05-019の修正適用による不具合情報として前述したとおり、Windows Server 2003にSP1を適用すると、ネットワークに重大な不具合が発生する場合がある。
■クラスタ構成のExchange 2003に適用するとOutlook Web Accessがエラーを発生する
Windows Server 2003+Exchange Server 2003のシステムをクラスタ構成にしている場合、Windows Server 2003 SP1を適用すると、SP1で強化されたセキュリティ機能の影響によりOutlook Web Accessがエラー(500 - 内部サーバーエラー)を発生する。具体的には、SP1によってリモート・レジストリ・アクセスを実行するAPIのセキュリティ制限が変更され、ログオンが失敗する。詳細は次のサポート技術情報を参照のこと。すでに、この問題を解消するパッチが公開されており、以下のページからダウンロードできる。
■Exchange Server 2003でOutlookユーザーがアクセス不能になる
Windows Server 2003ベースのExchange Server 2003システムにWindows Server 2003 SP1をインストールし、Windows
Server 2003 SP1の設定ウィザードを実行すると、Windowsファイアウォールの影響でExchange Server 2003が以下のような不具合を発生する。
- Outlookユーザーが自分のアカウントに接続できない。
- サービスは正常稼働しているのに、Exchange Server 2003ポートへのリクエストに応答しなくなる。
■Exchange Serverデプロイメント・ツールを共有フォルダからインストールできない
Windows Server 2003 SP1をインストールすると、セキュリティ強化の影響で、Exchange Serverデプロイメント・ツールをネットワーク上の共有フォルダから実行できなくなる。
■ActiveDirectoryのレプリケーションを実行しようとすると、Windows Server 2003ベースのドメイン・コントローラで「アクセス拒否」エラーが発生する
Windows Server 2003 SP1(およびx64ベースのWindows Server 2003)では、RPCトラフィックに認証が必要になっており、この影響でActiveDirectoryのレプリケーションでエラーを発生する。
■ICFを有効化するとクラスタ・サービスが有効に機能しない
Windows Server 2003 SP1をインストールしたコンピュータでICFを有効化すると、クラスタ・サービスが有効に機能しなくなる。この問題はセキュリティ構成ウィザードでの設定変更で回避可能である。
■Small Business Server 2003にWindows Server 2003 SP1をインストールすると、複数の不具合が発生する
中小事業者向けにWindows Server 2003やExchange Server 2003などを安価なパッケージにまとめたSmall Business Server 2003(SBS 2003)には、現在のWindows Server 2003 SP1を慌てて適用しない方がよい。
マイクロソフトによれば、SBS 2003にWindows Server 2003 SP1をインストールすると、次のような複数の不具合が発生することが確認されている。
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リモート・アクセス・ウィザードが接続マネージャの設定パッケージを生成しなくなる。
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サーバIPアドレスの変更ツールがエラーを発生する。
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FAXサービスが起動しなくなり、FAX設定ウィザードが終了不可になる。
マイクロソフトは現在、SBS 2003用のSP1を準備しており、まもなく発表予定である。SBS 2003を利用しているなら、このSP1が登場するまでWindows Server 2003 SP1のインストールは控えた方がよいだろう。
■ISA Server 2004を利用するにはISA Server 2004 SP1の適用が必要
Windows Server 2003上でISA Server 2004を利用している場合、Windows Server 2003 SP1をインストールするときには、必ずISA Server SP1もインストールする必要がある。ISA Server SP1は以下からダウンロードできる。
■Virtual Server 2005の管理Webサイトへのアクセスがエラー
Windows Server 2003 SP1またはWindows XP SP2をインストールすると、セキュリティ強化によりVirtual Server 2005 管理WebサイトにアクセスするためのDCOMパーミッションが不足する。当該DCOMのセキュリティ設定を変更することで問題を回避できる。
■Application Center 2000実行中のサーバにインストールすると不具合が発生する
アプリケーション負荷分散システムのApplication Center 2000を実行しているWindows Server 2003サーバに対し、SP1を適用すると、次のような複数の不具合が発生する。
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localhostにアクセスしようとするとブラウザにエラーが表示される。
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クラスタにメンバを追加しようとすると、ウィザードでエラーが発生する。
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Application Center管理コンソールで、メンバの[状態]列やヘルス・モニタの[状態]列に「不明」と表示される。
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アプリケーション・ログにエラーが出力される場合がある。
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新しいクラスタ・コントローラを指定しようとすると、操作が失敗する。
マイクロソフトは、「コンポーネント負荷分散(CLB)を使用している環境にはWindows Server 2003 SP1 はインストールしないように」と述べている。詳細は以下のサポート技術情報を参照のこと。
■Windows TimeサービスがイベントID 7023を発生させて起動しなくなる
Windows Server 2003ベースのドメイン・コントローラにSP1をインストールすると、セキュリティ強化のためにWindows Timeサービスが起動しなくなる場合がある。この際イベントログには、ID 7023のエラーが記録される。
■Windows Server 2003 SP1のインストール時に「コピー エラー:Atapi.sys をコピーできません」が発生する
ISOイメージファイルをCD-ROMドライブとしてマウントするツールとして広く普及しているDAEMON Tools(またはAlcohol 120%)をインストールしたコンピュータにWindows Server 2003 SP1をインストールしようとすると、ファイルのコピー・エラーが発生する。DAEMON Toolsなどは一部のシステム・ファイルをロックしており、インストーラが既存ファイルをバックアップできないためにこのエラーが発生する。
■HTML Help機能を使う一部のWebアプリケーションが使用不能になる
Windows Server 2003 SP1の適用により、HTML Helpの仕様が一部変更されるため、HTML Help機能を使う一部のWebアプリケーションが使用不能になったり、UNCパスで共有フォルダ上のCHMファイル(Compiled Help Module)を開いたときに、トピックが開けなかったりする場合がある。
■DCOMを使用するプログラムが正しく機能しない
Windows Server 2003 SP1では、デフォルトのCOMパーミッションが変更されており、DCOMを使用するアプリケーションで不具合が発生する可能性がある。例えばバックアップソリューションのVeritas Backup Exec 8.6は、これが理由でバックアップ・タスクを起動できなくなるとのこと。
■MOM 2005でアクセス権違反が発生する
Windows Server 2003+Microsoft Operations Manager 2005(MOM 2005)にWindows Server 2003 SP1をインストールすると、一部のアクセス権設定が変更になり、MOMの処理によってはエラーが発生する。
■MOM2005レポート機能のインストールでエラー
HotFix Report BBSへの報告によれば、Windows Server 2003 SP1のコンピュータにSQL Server 2000とSQL Server 2000 Reporting Servicesをインストールしたのち、MOM 2005をインストールしようとすると、MOM 2005本体はインストールできるが、レポート機能(SQL Server 2000 Reporting Servicesを使用)は途中でエラーになる。
この問題は、ループバック・チェックを無効化すると問題を回避できる。具体的な方法は次のページで紹介されているものと同じだ。
■Windows Server 2003 SP1環境にWindows SharePoint Servicesをインストールするとエラーが発生する
Windows Server 2003 SP1をインストールした環境にWindows SharePoint Servicesをインストールすると、エラーが発生し、インストールを完了できない。
■IIS 5.1/6.0の統合認証ページを参照すると401.1エラーが発生する
Windows Server 2003 SP1(IIS 6.0)やWindows XP SP2(IIS 5.1)では、コンピュータへのリフレクション・アタックを防止するため、ローカル・ループバックの検査が変更された。この影響で、統合認証が設定されたページを参照しようとすると、HTTP 401.1エラー(ログオンの失敗)が発生する場合がある。
■そのほかの不具合情報
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