マイクロソフト認定技術資格試験「MCP/MCSEラーニングブック」

70-293:Planning and Maintaining a Microsoft Windows Server 2003 Network Infrastructure 編

1-2.IPアドレス

宮本 寿夫/澤村 孝太郎
2003/12/17

本記事は、@ITハイブックスシリーズ『マイクロソフト認定技術資格試験 MCP/MCSEラーニングブック−70-293:Planning and Maintaining a Microsoft Windows Server 2003 Network Infrastructure 編−』(技術評論社発行)より、一部の問題を許可を得て転載したものです。同書籍に関する詳しい情報については、「@ITハイブックス」サイトでご覧いただけます。
 
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問題 01-02-01 ネットワーククラスとサブネット
問題 02-01-01 ゾーン
問題 03-01-06 入力フィルタと出力フィルタ
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問題 01-02-01 ネットワーククラスとサブネット

 あなたはWindows Server 2003ネットワークの管理者です。このネットワークではTCP/IPを使用してインターネットに接続していますが、TCP/IP以外のネットワークプロトコルはインストールされていません。アドレスは172.16.0.0を使用しています。アドレスを浪費することなく、将来のネットワークの成長にも対応できるよう計画しなくてはいけません。

 現在、必要なネットワークリソースは、サブネットが15個、各サブネットのホストが200台です。しかし、このネットワークは将来的にサブネットが50個、サブネットのホストが600台まで成長すると考えられています。

 このネットワークで使用するサブネットマスクとして最も適切なものはどれですか? 適切なものを選択してください。(単一選択)

 255.255.192.0
 255.255.224.0
 255.255.248.0
 255.255.252.0
 255.255.254.0

 IPアドレスは32ビットの値をネットワークIDとホストIDの2つに区切って使用します。どこで区切るかによって、1つのネットワークで使用できるホスト数が決まります。ネットワークIDとホストIDの位置によって、IPアドレスは3つのクラスに分けられます。

 ネットワークID ホストID
クラスA  0*******|******** ******** ********
 1.0.0.1 〜 127.255.255.254
クラスB  10****** ********|******** ********
 128.0.0.1 〜 191.255.255.254
クラスC  110***** ******** ********|********
 192.0.0.1 〜 223.255.255.254

 クラスAは7ビットのネットワークIDと24ビットのホストIDで構成されているので、約1,680万のホスト空間があります。クラスBは14ビットのネットワークIDと16ビットのホストIDからなるため、約65,000のホスト空間がありますが、クラスCでは21ビットのネットワークIDと8ビットのホストIDから構成されるので、254台のホストしか持つことができません(表1-2)。

 クラスA、クラスB、クラスC、に含まれないアドレスは、マルチキャストや研究用などに使われます。

 なお、ホストIDがすべて「0」のアドレスはネットワーク自体を表すために予約されており、ホストIDがすべて「1」のアドレスはネットワーク内のすべてのホストへ送信するためのブロードキャスト用に予約されているので、使用することはできません。

  ネットワークID ネットワーク数 ホストID ホスト数
クラスA 7ビット 126 24ビット 約1,680万
クラスB 14ビット 約16,000 16ビット 約65,000
クラスC 21ビット 約209万 8ビット 254
[表1-2] クラスごとのネットワーク数とホスト数

 IPアドレスを有効に使うために、サブネットを作ることができます。サブネットは、サブネットマスクを使ってホストIDをネットワーク番号とサブネットワークIDに分割することで構築します。サブネットマスクは、IPアドレスとの論理積によってネットワーク番号を取り出します。

 例えば、128.1.1.1と128.1.2.1は、同じネットワークID(128.1.0.0)を持つクラスBのアドレスです。しかし、255.255.255.0というサブネットマスクを設定することで、「128.1.1.0」と「128.1.2.0」という2つのサブネットを作ることができるのです。

128.1.1.1 = 10000000 00000001 00000001 00000001
255.255.255.0 = 11111111 11111111 11111111 00000000
 
128.1.1.0 = 10000000 00000001 00000001 00000000


128.1.2.1 = 10000000 00000001 00000010 00000001
255.255.255.0 = 11111111 11111111 11111111 00000000
 
128.1.2.0 = 10000000 00000001 00000010 00000000

POINT

 サブネットマスクは、1つのネットワーク内に複数のサブネットを作るために利用されます。また、サブネットマスクは「1」が連続した値でなくてはいけません。

 クラスBのアドレスをサブネット化したときに得られるサブネット数とホスト数は、以下のとおりです(表1-3)。

サブネットマスク サブネット数 ホスト数/サブネット
255.255.192.0 2 16,382
255.255.224.0 6 8,190
255.255.240.0 14 4,094
255.255.248.0 30 2,046
255.255.252.0 62 1,022
255.255.254.0 126 510
255.255.255.0 254 254
表1-3 クラスBのサブネット化

KEYWORD

●ローカルアドレス
 各クラスにはインターネットに接続しない環境で使用するためのアドレスが予約されています。これをローカルアドレスといいます(表1-4)。ローカルアドレスを持つコンピュータがインターネットに接続するには、プロキシサーバかNAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)を利用する必要があります。

クラス IPアドレス
クラスA 10.0.0.1 〜 10.255.255.254
クラスB 172.16.0.1 〜 172.31.255.254
クラスC 192.168.0.1 〜 192.168.255.254
表1-4 ローカルアドレス

●ネットワークプレフィックス
 ネットワーク番号をネットワークプレフィックスと呼ぶことがあります。1つのネットワークにあるホストは、同じネットワークプレフィックスを持ちますが、ホスト番号は固有のものである必要があります。

●プロトコル(Protocol)
 デバイスやコンピュータが互いにデータをやりとりするための規約をプロトコルといいます。例えば、SCSIデバイスを使うためには、コンピュータとSCSIデバイスがSCSIで定義された手順に従ってデバイスの初期化やデータ転送などを行う必要があります。この通信手順の取り決めがプロトコルです。

 特に、ネットワークを介してコンピュータ同士が通信するためのネットワークプロトコルを指して、プロトコルということもあります。

●オクテット(Octet)
 通信分野などで使われる情報量の単位で、1オクテットは8ビットに相当します。同様の単位としてバイトがあります。1バイトが8ビットとは限りませんが、1オクテットは必ず8ビットです。

正 解(01-02-01)
  255.255.252.0

 
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