運用
常時接続時代のパーソナル・セキュリティ対策(第2回)

3.Routing and Remote Accessサービスとその使い方(3)

デジタルアドバンテージ
2001/01/17


netshコマンドのコンテキスト

 netshコマンドに引数を何も付けずに起動すると、ユーザーがコマンドをインタラクティブに(対話的に)入力して実行するモードになる。プロンプトとしては、最初は“netsh>”が表示されているが、この部分は、「コンテキスト」に応じて変わってくる。コンテキストとは、操作の対象となるRRASの機能を表すもので、Windows 2000 ProfessionalのRRAS機能では、「routing」と「interface」、「ras」の3つがある。Windows 2000 Serverではこれ以外に、「dhcp」、「wins」、「aaaa(authentication、authorization、auditing、accounting)」の3つのコンテキストも利用でき、より高機能になっている。

 「routingコンテキスト」では、RRASの機能のうち、IPルーティングやTCP/IP、IPXプロトコルなどに関する設定を行う。「interfaceコンテキスト」ではネットワーク・インターフェイスに関する設定を行い、「rasコンテキスト」ではRAS(リモートアクセス)に関する設定を行う。今回利用するパケット・フィルタは、「routingコンテキスト」の下にある“ip”サブコンテキスト中で設定を行う。

 netshコマンド中でコンテキストを変更・移動するには、“routing”や“interface”、“ras”などというふうに、コンテキスト名をそのまま入力すればよい。コンテキストを1つ上へ上がるには“..”と入力する(ディレクトリを移動する、cdコマンドのようになっている)。コンテキストを変更すると、そのコンテキストごとに利用可能なコマンドが変わりるが、実際にどのようなコマンドが利用できるかはHELPコマンドで確認していただきたい。以下は、routingのipサブコンテキスト中で利用可能なコマンドの一覧を表示させたところである。

C:\>netsh         ……netshコマンドの起動
netsh>routing     ……routingコンテキストへの切り替え
routing>ip        ……routing中のipサブコンテキストへの切り替え
routing ip>help   ……このサブコンテキストで利用できるコマンド一覧の表示

使用できるコマンドは次のとおりです:

グローバル コマンド:   ……どのコンテキスト中でも利用できるコマンド
..             - 一階層上のコンテキスト レベルに移動します。
abort          - オフライン モードで行われた変更を破棄します。
add            - エントリの一覧に構成エントリを追加します。
alias          - エイリアスを追加します。
bye            - このプログラムを終了します。
commit         - オフライン モード中に行われた変更をコミットします。
delete         - エントリの一覧から構成エントリを削除します。
exit           - このプログラムを終了します。
interface      - 'interface' コンテキストに変更します。
offline        - 現在のモードをオフライン モードに設定します。
online         - 現在のモードをオンライン モードに設定します。
popd           - スタックからコンテキストをポップします。
pushd          - スタックに現在のコンテキストをプッシュします。
quit           - このプログラムを終了します。
ras            - 'ras' コンテキストに変更します。
routing        - 'routing' コンテキストに変更します。
set            - 構成の設定を更新します。
show           - 情報を表示します。
unalias        - エイリアスを削除します。

routing コンテキストから引き継いだコマンド: …routingコンテキスト中で利用できるコマンド
ip             - 'routing ip' コンテキストに変更します。
ipx            - 'routing ipx' コンテキストに変更します。
show           - 情報を表示します。

このコンテキストのコマンド: …ipサブコンテキストで利用できるコマンド
?              - ヘルプを表示します。
add            - エントリの一覧に構成エントリを追加します。
autodhcp       - 'routing ip autodhcp' コンテキストに変更します。
delete         - エントリの一覧から構成エントリを削除します。
dnsproxy       - 'routing ip dnsproxy' コンテキストに変更します。
dump           - 構成スクリプトをダンプします。
help           - ヘルプを表示します。
igmp           - 'routing ip igmp' コンテキストに変更します。
nat            - 'routing ip nat' コンテキストに変更します。
ospf           - 'routing ip ospf' コンテキストに変更します。
relay          - 'routing ip relay' コンテキストに変更します。
reset          - IP ルーティングをリセットします。
rip            - 'routing ip rip' コンテキストに変更します。
routerdiscovery - 'routing ip routerdiscovery' コンテキストに変更します。
set            - 構成情報を設定します。
show           - 情報を表示します。
update         - インターフェイスの自動静的ルートを更新します。

利用できるサブコンテキストは次のとおりです: ……さらに下位のサブコンテキスト
autodhcp dnsproxy igmp nat ospf relay rip routerdiscovery

コマンドのヘルプを表示するには、コマンドの後にスペースを入れ、
? と入力してください。

routing ip> ……“routing”コンテキスト中の“ip”サブコンテキストを表すプロンプト

 このコンテキスト中で、たとえばインターフェイスの情報を表示させるためには、“show interface”という文字列を入力してリターン・キーを押せばよい。もしshowコマンドで利用できる引数が分からなければ、“show ?”と入力すれば、指定可能な引数の一覧が表示される。このように適宜“?”を使うことにより、その状況に応じたヘルプ・メッセージやコマンドの書式の一覧が表示されるので、活用していただきたい。またこのプロンプト上では、上下左右のカーソル移動キーを使って、一度入力したコマンドを再入力したり、一部を変更して再実行したりすることもできるので、入力を間違えた場合でも簡単に修正できるだろう。


 INDEX
  [運用]常時接続時代のパーソナル・セキュリティ対策(第2回)
    1.Routing and Remote Accessサービスとその使い方(1)
    2.Routing and Remote Accessサービスとその使い方(2)
  3.Routing and Remote Accessサービスとその使い方(3)
    4.Routing and Remote Accessサービスとその使い方(4)
    5.パケット・フィルタの設定(1)
    6.パケット・フィルタの設定(2)
    7.パケット・フィルタの設定(3)
    8.パケット・フィルタの設定(4)
    9.パケット・フィルタの設定(5)
   10.パケット・フィルタの設定(6)
 
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