運用常時接続時代のパーソナル・セキュリティ対策(第2回)9.パケット・フィルタの設定(5) デジタルアドバンテージ |
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以上でフィルタの設定は完了である。show filterコマンドで正しく設定できたかどうかを確認しておこう。「インターネット 接続」の「Input」の列が、「7 (DROP)」となっているが、これは7つの例外ルールが定義されているということを表している。より詳しくフィルタの内容を表示するには、show filterコマンドにインターフェイス名を付加すればよい。
routing ip>show filter
……フィルタ設定の表示 |
フィルタ機能の確認
以上でフィルタの設定は終わりである。Windows 2000マシンや、LAN上のクライアントから、正しくインターネット上のリソースが使えるかどうかを確認しておこう。メールやWebブラウザ、ftpクライアント、pingなどは何の問題もなく利用できるはずである。
ところで、インターネット上のリソースが正しく利用できるかどうかは簡単にチェックできるが、逆に、本当にパケットのフィルタ(ブロック)が機能しているかどうかは実際にインターネット側からアクセスしてテストしてみるしかない。別契約のプロバイダなどからインターネットにアクセスしてみて、そこからWindows 2000マシンに割り当てられているIPアドレスをアクセスして、チェックしておこう。TCPの135番や445番へ外部からtelnetでアクセスしてみて、正しく拒否されるかどうかを見るのである(「telnet <IPアドレス> 135」などとして、接続が失敗することを確認する)。
もしこのような方法が取れないのなら、代わりにフィルタを1つずつ付けたり外したりして、その効果を確かめるとよい。たとえば、TCPの20番ポートへのアクセス許可用ルールを無効にすると(削除すると)、ftpでlsやdir、get、putができなくなり、UDPのDNS用ルールを削除すると、名前解決ができなくなるはずである。もしそうならないとすると(フィルタ設定に関係なく通信できるようなら)、RRASが正しく動いていないということが考えられる。RRASサービスが動いていなくても、netshで各種の設定が行えるので、これは気が付きにくいかもしれない。interfaceコンテキストでshow interfaceコマンドを発行して、正しくインターフェイスが表示されるかどうかを確認してみよう(RRASが動いていない場合は、show interfaceコマンドではインターフェイスが何も表示されないか、Stateのフィールドが空白になっている)。
netsh>interface |
以上の確認が済めば、最初の時と同じように、忘れずにdumpコマンドで全設定をファイルへ保存しておこう。
パケット・フィルタ設定の削除
いったん定義したパケット・フィルタ設定を削除するには、2つの方法がある。
1つは、元のadd filterコマンドでセットしたのとまったく同じ引数を使って、del filterというコマンドを実行することである。一般的なルータでは、フィルタを設定するときにルールに番号を付けておいて、後でその番号を指定してルールを削除したりするが、RRASではフィルタのパターンだけを見てどのルールに一致するかを調べている。そのため、add filterで指定したのと同じ形式でdel filterコマンドを実行する必要がある。例えば次のようになる。
routing ip>del filter "インターネット
接続" input 0.0.0.0 0.0.0.0 0.0.0.0 0.0.0.0 tcp-est 0 0 |
この方法は、netshをインタラクティブに使って、フィルタ設定を試行錯誤するような場合には便利であろう。add filterを実行したコマンドラインをカーソル・キーで呼び出して、“add”を“del”に書き換えてから実行すればよい。
もう1つの方法は、dumpコマンドで設定情報をファイルへ出力しておき、テキストエディタなどで編集後(いちいちdel filterコマンドを実行して前のルールを削除しなくてもよい)、再ロードさせる方法である(テキストをコマンド プロンプト・ウィンドウへ貼り付けるには、ウィンドウ上でマウスを右クリックするのが一番手軽である。コマンド プロンプトの使い方については、連載「Windows 2000 コマンドライン徹底活用」の「第2回 コマンド プロンプト入門(その2)」などを参照のこと)。
パケット・フィルタ設定の修正
パケット・フィルタの内容を修正するには、元のルールをいったん削除してから、新たに追加する必要がある。さもないと、古いルールが残ったまま、新しいルールがどんどん追加されていってしまう。
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連載
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