[製品レビュー]

Windows Server 2008 Foundation

デジタルアドバンテージ 島田 広道
2009/09/09

 小規模な企業や、支店・出張所・拠点、あるいは大企業の一部署など、ユーザーが数名〜十数名のみの組織でも、サーバ・システムが必要となる場合はある。もし、サーバに要求されるサービスがファイル/プリンタ共有ぐらいであれば、クライアントPCをサーバとして共用したり、多機能なNAS(Network Attached Storage)を導入したりすれば済むだろう。しかし、いずれグループウェアなどのサーバ・アプリケーションを利用することも想定すると、そのプラットフォームとしてサーバ・マシンおよびサーバOSも候補に含めるべきだろう。

 従来のWindows Server OSだと、予算の限られた小規模システムでは、その価格が導入のネックになりがちだった。例えば、(Webサーバ専用のWebエディションを除いて)Windows Server 2008の一番安価なエディションだったStandardは、安価なプレインストール版でも8万〜10万円ほどかかる。当然ではあるが、価格面に注目すれば、OSもアプリケーションも無償版を活用できるLinuxベースのサーバ・システムに比べて不利だ(Windows向けサーバ・アプリケーションは数十万円クラスも珍しくない)。とはいえ、クライアントがWindowsばかりで管理者もWindowsに慣れている状況で、UIや管理・運用方法などが大きく異なるLinuxを導入するのは容易ではない。こうしたジレンマを抱えている管理者は少なくないだろう。

 こうした問題を解決するため、2009年春にマイクロソフトは、Windows Server 2008の小規模システム向けエディション「Windows Server 2008 Foundation(以下Foundation)」をリリースした。これは、いくつかの制限と引き換えに、プレインストールされたサーバ・マシンとセットで10万円以下という低価格を実現し、予算の限られた小規模システム向けにも導入しやすくしたものだ。

 本稿では、従来のWindows ServerとFoundationの違いは何なのか、コストパフォーマンスは本当に優れているのかなどを見ていく。また、実際のプレインストール・モデルの例として、デルのエントリ・サーバ「PowerEdge T105」を紹介する。今回評価するのはWindows Server 2008 Foundationだが、先ごろ明らかになった次期バージョンのWindows Server 2008 R2のFoundationエディションにも触れる。


 INDEX
  [製品レビュー] 
Windows Server 2008 Foundation
    1.Foundationの位置付けと特長
    2.PHPベースの無償Webアプリケーションも利用可能

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