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Officeのファイル操作ダイアログのショートカット・バーを変更する(Office XP/2003/2007編)

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 島田 広道
2008/04/04
対象ソフトウェア
Office XP
Office 2003
Office 2007
Officeアプリケーションのファイル操作ダイアログには、特定のフォルダへ素早くアクセスするためのショートカット・バー([マイ プレース]バー)が用意されている。
このショートカット・バーは、ユーザーがよく使う作業フォルダを追加するなどのカスタマイズが可能だ。
ショートカット・バーのカスタマイズは、ほとんどGUIで可能だが、一部はレジストリの操作を必要とする。

解説

 Officeアプリケーションでファイルを開いたり保存したりするときに表示されるファイル操作ダイアログには、特定のフォルダへ素早くアクセスできるショートカット一覧が左側に並んでいる(次の画面)。このショートカット一覧のことを一般的にはショートカット・バーなどと呼ぶ(Officeでは[マイ プレース]バーまたは[プレース]バーが正式名称)。

Officeのファイル操作ダイアログ
これはOffice 2007の例。Windowsの共通オープン・ファイル・ダイアログとよく似ているが、Officeアプリケーション専用のダイアログである。例えば下側に並んでいる[ツール]ボタンや、プルダウン・メニューを含む[開く]ボタンなど、独自に拡張されている部分がある。
ショートカット・バー。正式には[マイ プレース]バーあるいは[プレース]バーという。特定のフォルダへ素早くアクセスするためのショートカットが並ぶ。デフォルトでは、この5種類のショートカットで構成される(Officeアプリケーションによっては、5種類より少ないこともある)。

 Officeのファイル操作ダイアログのショートカット・バーには、デフォルトで、「最近使ったファイル」「デスクトップ」「マイ ドキュメント」「マイ コンピュータ」「マイ ネットワーク」の5種類のショートカットが並んでいる。これはこれで便利だが、ユーザー自身がよく使うフォルダのショートカットも追加できると、もっと便利になりそうだ。例えば、社内のファイル・サーバである「Server01」の「\usr\user01」というフォルダへのショートカットを追加すれば、サーバ上の自分のホーム・ディレクトリへ素早くアクセスすることができるだろう。本稿では、Office XP/Office 2003/Office 2007を対象に、こうしたショートカット・バーのカスタマイズ方法を説明する。

 なお、Windowsの共通オープン・ダイアログのショートカット・バーは、本稿で記す方法では変更できない。TIPS「共通ダイアログのショートカット・バーを変更する」を参照して変更していただきたい。またOffice 2000での設定方法については、TIPS「Officeのファイル操作ダイアログのショートカット・バーを変更する(Office 2000編)」を参照していただきたい。

操作方法

 ショートカット・バーのカスタマイズのほとんどはGUIから実行できる。デフォルトのショートカットの非表示化など、一部のカスタマイズにはレジストリの操作が必要となる。また、このカスタマイズはユーザーごとに保存されるので、設定前には必ず対象ユーザーのアカウントでログオンしておくこと。

 以下ではOffice 2007を例に取り上げているが、Office XP/Office 2003でも操作方法はほぼ共通である(異なる点は記述している)。Office 2000での設定方法については、TIPS「Officeのファイル操作ダイアログのショートカット・バーを変更する(Office 2000編)」を参照していただきたい。また、Windows VistaにインストールしたOfficeの場合、ファイル操作ダイアログ・ボックスはWindows Vista提供のものに差し替えられ、以下の手順では変更できないことがある。

ショートカットを追加する

 この手順だけはOffice XP/Office 2003とOffice 2007で異なるので、別々に説明する。

■Office XP/Office 2003の場合
  ショートカット・バーにショートカットを追加するには、まずWord/Excel/PowerPointといったOfficeアプリケーションを起動し、[ファイル]−[開く]を実行して[ファイルを開く]ダイアログ・ボックスを表示させる。次に、ファイル/フォルダ一覧からショートカットを追加したいフォルダを選択し、[ツール]−[マイ プレースに追加]を実行する。ショートカット・バーの一番下に、そのフォルダのショートカットが追加されるはずだ。

ショートカット・バーにショートカットを追加する(Office XP/Office 2003)
[ファイルを開く]ダイアログ・ボックスでなくとも、例えば[名前を付けて保存]のようにショートカット・バーが表示されるダイアログ・ボックスであれば、同じ設定が可能だ。いったん設定すれば、ショートカット・バーが表示されるOfficeの全ダイアログ・ボックスから、追加したショートカットを利用できる。
ショートカットを追加したいフォルダを選択する。
これをクリックすると、プルダウン・メニューが表示される。
これをクリックすると、で選んだフォルダのショートカットが追加される。

■Office 2007の場合
  Officeアプリケーションを起動したら、Officeボタン(ウィンドウ左上の丸いボタン)をクリックしてOfficeメニューを表示させ、[開く]を実行して[ファイルを開く]ダイアログ・ボックスを表示させる。次に、ファイル/フォルダ一覧からショートカットを追加したいフォルダを選択し、ショートカット・バー上の任意の場所を右クリックして[<フォルダ名> を追加]を実行する。

ショートカット・バーにショートカットを追加する(Office 2007)
Office XP/Office 2003同様、ショートカット・バーのあるダイアログ・ボックスでいったんこの設定を行うと、すべてのショートカット・バー付きOfficeダイアログ・ボックスに反映される。
ショートカットを追加したいフォルダを選択する。
ショートカット・バー上の任意の場所で右クリックすると、このプルダウン・メニューが表示される。
これをクリックすると、で選んだフォルダのショートカットが追加される。

ショートカット名を変更する

 ショートカットを追加すると、その名前は自動的にフォルダ名となる。これを変更するには、ショートカット・バーにて、追加したショートカットを右クリックして[名前の変更]を実行し、新しい名前を入力する。このときフォルダ自体の名前は変わらず、あくまでもショートカット名だけが変更の対象となる。

追加したショートカット名を変更する
この操作ではショートカット名だけが変更され、実体であるフォルダの名前は変わらない。
名前を変えたいショートカットを右クリックすると、このプルダウン・メニューが表示される。
これをクリックすると、のダイアログ・ボックスが表示される。
新しいショートカット名を入力する。
これをクリックする。

 なお、デフォルトのショートカットの名前は変更できない。

ショートカットを削除または非表示にする

 追加したショートカットをショートカット・バーから外すには、そのショートカットを右クリックして[削除]を実行する。

追加したショートカットを削除する
この操作が可能なのは、ユーザーが追加したショートカットに限られる。デフォルトのショートカットについては、後述のようにレジストリの操作が必要だ。
削除したいショートカットを右クリックすると、このプルダウン・メニューが表示される。
これをクリックする。

 一方、デフォルトのショートカットをショートカット・バーから外すには、レジストリを操作する必要がある。

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリ・エディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで設定を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。

 追加したショートカットと違い、デフォルトのショートカットは削除できない。そこで、対応するレジストリ・キーにShowという値をREG_DWORD型で作成し、0を設定することでショートカット・バーに表示されないようにする。

項目 内容
キー HKCU\Software\Microsoft\Office\<Officeバージョン番号>\
Common\Open Find\Places\StandardPlaces\<ショートカットの英語表記>
値の名前 Show
REG_DWORD
値の内容 0 → ショートカットを表示しない
1 → ショートカットを表示する(デフォルト)
デフォルトのショートカットの表示/非表示を設定するレジストリ
値Showに0を設定すると非表示になる。復活させるには1を指定するか、値Showを削除する。ちなみにレジストリ・キーそのものを削除しても、ダイアログ・ボックスを開くと自動的にこのキーが作成されるので、削除はできない。
<Officeバージョン番号>: Office XPは「10.0」、Office 2003は「11.0」、Office 2007は「12.0」
<ショートカットの英語表記>: 下表参照

 操作対象のレジストリ・キーの名前は、デフォルトの各ショートカットの英語表記になっている。下表に従って、各ショートカットに対応するレジストリ・キーを確認すること。

日本語表記 英語表記
デスクトップ Desktop
マイ コンピュータ MyComputer
マイ ドキュメント MyDocuments
マイ ネットワーク Publishing
最近使ったドキュメント Recent
デフォルトのショートカットの英語表記
操作対象のレジストリ・キーは、デフォルトの各ショートカットの英語表記になっている。「My 〜」のように似た名前が並んでいるので間違えないように注意すること。

ショートカットの並び順を変える

 ショートカットの並び順を変えるには、変更したいショートカットを右クリックして[上へ移動]または[下へ移動]を実行する。この操作はデフォルトのショートカットでも、追加したショートカットでも可能だ。

ショートカットの表示位置を変更する
デフォルトと追加の双方のショートカットで、この操作は可能だ。
削除したいショートカットを右クリックすると、このプルダウン・メニューが表示される。
ショートカットを上へ移動するには、これをクリックする。
ショートカットを下へ移動するには、これをクリックする。

アイコンの大きさを変える

 複数のショートカットを追加すると、そのアイコンがショートカット・バーの表示範囲に収まらなくなり、スクロールを強いられて操作が面倒になりがちだ。そんなときは、アイコンを小さくすればよい。

 ショートカット・バーを右クリックし、[小さいアイコン]を実行すると、各ショートカットが小さいアイコンで表示されるようになる。元に戻すには[大きいアイコン]を実行する。

小さくしたショートカット・バーのアイコン
このように、デフォルトの大きいアイコンから小さいアイコンに変更すると、より多くのショートカットを同時に表示できるようになる。なお、アイコンのサイズは共通で、個別には変更できない。
ショートカット・バー上の任意の場所で右クリックすると、このメニューが表示される。
アイコンを大きくするには、これをクリックする。
アイコンを小さくするには、これをクリックする。

 Office 2007の場合、管理用テンプレートを組み込めばグループ・ポリシーでショートカットを追加できる。その方法については別途解説する予定だ。End of Article

  関連リンク
  Office の [ファイルを開く] および [名前を付けて保存] ダイアログ ボックスの [マイ プレース] バーをカスタマイズする方法(マイクロソフト サポート技術情報)
     
「Windows TIPS」


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