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グループ・ポリシーでOffice 2007のファイル操作ダイアログのショートカット・バーを変更する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 島田 広道
2008/05/23
対象ソフトウェア
Office 2007
Officeアプリケーションのファイル操作ダイアログには、特定のフォルダへ素早くアクセスするためのショートカット・バー(プレース・バー)が用意されている。
このショートカット・バーは、ユーザーがよく使う作業フォルダを追加するなどのカスタマイズが可能だ。
無償提供されている管理用テンプレート・ファイルを用いれば、グループ・ポリシーによって複数のPCに対して一律にショートカット・バーのカスタマイズを実行できる。

解説

 TIPS「Officeのファイル操作ダイアログのショートカット・バーを変更する(Office XP/2003/2007編)」では、Office XP以降のファイル操作ダイアログの左端に表示されるショートカット・バー(次の画面参照)のカスタマイズを手動で行う方法を紹介した。しかし、企業などで複数台のPCを管理している場合、各PCを手動でカスタマイズするのは非常に手間がかかり、現実的ではない。

Office 2007のファイル操作ダイアログ
Windows OS標準の共通オープン・ファイル・ダイアログとよく似ているが、Officeアプリケーション専用のダイアログである。例えば左下の[ツール]ボタンや、プルダウン・メニューを含む[開く]ボタンなど、独自に拡張されている部分がある。
ショートカット・バー。特定のフォルダへ素早くアクセスするためのショートカットが並ぶ。「プレース バー」が正式名称。デフォルトでは、この5種類のショートカットで構成される。グループ・ポリシーでカスタマイズすると独自のショートカットを追加できる。

 Office 2007であれば、マイクロソフトが無償提供している管理用テンプレート・ファイルを入手すると、Active Directoryのグループ・ポリシーによって、ドメイン所属のコンピュータに対して一律に同じショートカットのカスタマイズを適用できる。これにより、管理対象の全PCに対して、ファイル・サーバにある各ユーザーのホーム・ディレクトリを素早く参照するショートカットを追加する、といったことが可能となる。本TIPSでは、その方法を説明する。

 Windowsの共通オープン・ダイアログのショートカット・バーをグループ・ポリシーでカスタマイズする方法については、TIPS「共通ダイアログのショートカット・バーを変更する」を参照して変更していただきたい。

操作方法

 本稿では、グループ・ポリシー管理コンソール(GPMC)を使ってショートカット・バーのカスタマイズを設定する方法を紹介する(GPMCについてはTIPS「グループ・ポリシー管理を強力に支援するGPMCを活用する」を参照のこと)。

手順1――管理テンプレート・ファイルを入手/展開する

 まずOffice 2007向けの管理用テンプレート・ファイルを、以下のダウンロード・センターのWebページからダウンロードする。これはショートカット・バーに限らず、さまざまなカスタマイズ機能を提供するものだ。

 AdminTemplates.exeという自己展開ファイルがダウンロードできるので実行すると、ライセンス条項の許諾画面が表示される(次の画面)。内容を確認してから[Click here to accept the Microsoft Software License Terms.]チェック・ボックスをオンにしてから[Continue]ボタンをクリックする。

管理用テンプレート・ファイルを展開する
ダウンロードした自己展開ファイルAdminTemplates.exeを実行して、管理用テンプレート・ファイルを展開する。
ライセンス条項。
を読んで許諾できる場合は、これをオンにする。
をオンにした後にこれをクリックすると、展開先フォルダの指定ダイアログが表示されるので、指示に従ってフォルダを指定して展開する。展開先のテンプレートは、後でGPMCで読み込まれるだけなので(ドメイン・コントローラから直接参照されるわけではない)、ローカルのどこか適当な一時フォルダへ展開しておけばよい。

 [フォルダの参照]ダイアログ・ボックスが表示されたら、管理用テンプレート・ファイルを展開するフォルダを指定して[OK]ボタンをクリックする。後はファイルの展開完了を待てばよい。

手順2――グループ・ポリシー・エディタに管理用テンプレート・ファイルを組み込む

機能が向上したWindows Vistaのグループ・ポリシー

  AdminTemplates.exeを展開すると、3つのサブフォルダ(ADM、Admin、ADMX)が作成される。ショートカット・バーのカスタマイズには通常、ADM\ja-jp\office12.admという管理用テンプレート・ファイルを利用する。Windows VistaやWindows Server 2008では、新しい形式であるADMX\office12.admxあるいはADMX\ja-jp\office12.admlを利用してもよい(新しいADMX形式については関連記事参照)。

 この管理用テンプレート・ファイルを利用するために、まずGPMCから起動したグループ・ポリシー・エディタにて、[ユーザーの構成]−[管理用テンプレート]を右クリックして[テンプレートの追加と削除]を実行する(次の画面)。

管理用テンプレート・ファイルを組み込む
管理用テンプレート・ファイル(ADMファイル)の機能を利用するには、最初にグループ・ポリシー・エディタで追加する必要がある。
これを右クリックする。
これを実行する。→

管理用テンプレート・ファイルの追加/削除
  組み込み済みの管理用テンプレート・ファイルの一覧。
  新しい管理用テンプレート・ファイルを追加するには、これをクリックして表示されるダイアログ・ボックスで対象ファイル(ここではADM\ja-jp\office12.adm)を指定する。
  これをクリックして完了する。

手順3――グループ・ポリシー・エディタでショートカット・バーをカスタマイズする

 管理用テンプレート・ファイルoffice12.admを追加すると、グループ・ポリシー・エディタの[ユーザーの構成]−[管理用テンプレート]に[Microsoft Office 2007 system]という項目が追加される。ショートカット・バーをカスタマイズするには、その下にある[ファイルを開く/保存ダイアログ ボックス]−[プレース バーの場所]にある設定を変更すればよい(次の画面)。

ショートカット・バーをカスタマイズするためのグループ・ポリシー
office12.admを組み込むと、左ペインに[Microsoft Office 2007 system]という管理用テンプレートが追加される。ショートカット・バー以外にもさまざまなカスタマイズが可能だ。ショートカット・バーの設定は[プレース バーの場所]から行う。
これを選択すると右ペインにショートカット(最大10個)を設定する項目が表示される。
これら1つ1つの項目がショートカット1つ1つに対応する。設定名末尾の数値がより小さい「プレース バーの場所」に設定したショートカットほど、ショートカット・バー上では、より上方に表示される。ショートカットを設定するには、いずれかの「プレース バーの場所」をダブル・クリックする。→

ショートカットの設定画面
ショートカットの表示名と参照先フォルダのフルパスを指定する。
  これを選択する。
  ショートカットの表示名を入力する。ショートカット・バーにはこの名前で表示される。
  ショートカットのクリック時にジャンプするフォルダのフルパスを指定する。UNC形式でもよい。また環境変数も%〜%という形式で参照できる。
  設定が済んだら、これをクリックして完了する。

 右ペインに表示される[プレース バーの場所 <番号>](<番号>は1〜10の数値)にショートカットを1つずつ設定する。この<番号>が小さいほど、ショートカット・バー上では、より上方に表示される。

 またグループ・ポリシーによるショートカットは、デフォルトのショートカットやファイル操作ダイアログ上の手動操作で加えたショートカットより必ず上方に表示される。この順序は固定で変更できない。グループ・ポリシーによるショートカットは、手動で加えたショートカットとは別に、最大10個まで追加可能だ。

グループ・ポリシーでカスタマイズしたショートカット・バーの例
ファイル・サーバ(Server1)上の2種類のフォルダ(ユーザーのホーム・ディレクトリと共同作業用フォルダ)へのショートカットをグループ・ポリシーで追加した例。このように、グループ・ポリシーで追加したショートカットはデフォルトのショートカットの上に配置される。
追加したショートカット。

 ショートカットの参照先フォルダのパスには、UNC形式や環境変数が利用できる。例えばファイル・サーバにある各ユーザー用フォルダを参照するために、「\\Server1\Home\%USERNAME%」といったパスが登録できる(%USERNAME%はログオン中のユーザー・アカウント名に変換される)。End of Article

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