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Windows Server 2008でWindows Aeroを使う

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 打越 浩幸
2009/03/27
対象OS
Windows Server 2008
Windows Server 2008のデフォルト状態では、VistaのようなWindows Aero機能は利用できない。
しかし設定を変更することにより、Windows Aero機能を有効にできる。
ただしVistaのWindows Aeroと比べるといくらか制限がある。

解説

 Windows VistaとWindows Server 2008のカーネル・アーキテクチャはほぼ同じであるが、そのデスクトップ・ユーザー・インターフェイスは一見すると大きく異なっている。クライアント用途向けのWindows Vistaには3Dフリップやサイド・バー、透明ウィンドウなど、ユーザーの目を引く機能が多く搭載されているが、サーバ向けOSであるWindows Server 2008ではこれらの機能は利用できない。だが実際にはWindows Server 2008にもこれらの機能は用意されている。

 Webサーバやアプリケーション・サーバでこのような機能を利用することはないだろうが、ワークステーション的な使い方をするためにServer OSを利用している場合は(例えば大容量メモリやマルチプロセッサのサポート、ディスクのソフトウェアRAID機能などを活用して、大規模なユーザー・アプリケーションを利用する場合など)、このような機能があると便利かもしれない。本TIPSではWindows Server 2008でWindows Aeroを利用する方法について解説する。

操作方法

手順1――ハードウェアの準備

 Windows Server 2008でWindows Aeroを利用するには、まず3Dグラフィックス機能を持ったグラフィックス・カードをシステムに装着し、さらに適切なグラフィックス・ドライバをインストールする。Windows Server 2008を利用するだけなら、デフォルトでインストールされる「標準 VGA グラフィックス アダプタ」というデバイス・ドライバでも問題はないが、これではWindows Aeroは利用できない。なおWindows Server 2008用のデバイス・ドライバはWindows Vista用と同じなので、サーバ用ドライバが見つからない場合でも、動作保証はないもののWindows Vista用ドライバが動作するはずである。プロセッサのアーキテクチャに応じてx86用とx64用の2種類があるので、適切なドライバを入手してインストールする。

手順2――「デスクトップ エクスペリエンス」機能の追加

 次に[管理ツール]の[サーバー マネージャ]を起動し、「機能の概要」ペインにある[機能の追加]というリンクをクリックして、「デスクトップ エクスペリエンス」という機能を追加インンストールする。

機能の追加ウィザード
サーバ・マネージャの[機能の追加]リンクをクリックするとこのウィザードが起動するので、「デスクトップ エクスペリエンス」を追加する。
これを選択する。すでにインストールされている場合は次の手順へ進む。

 機能を追加してウィザードを実行すると、最後に再起動が要求されるので、指示に従ってシステムを再起動する。

システムの再起動
機能の追加後、システムを再起動する。
これをクリックして再起動する。

手順3――「Themes」サービスの起動

 次は「Themes」サービスを起動する。まずサーバ・マネージャを起動して、左側のツリーから[構成]−[サービス]を選択する。そして「Themes」サービスを選択して右クリックし、ポップアップ・メニューから[プロパティ]を選択する。

「Themes」サービスの起動1
「Themes」サービスの実行を開始させる。
これを選択する。
このサービスを右クリックする。
これを選択する。

 サービスのプロパティ画面が表示されるので、まず「スタートアップの種類」を[自動]にしてから、サービスの実行を開始する。

「Themes」サービスの起動2
サービスのスタートアップを自動にし、その後、サービスを開始させる。
スタートアップの種類はデフォルトでは[無効]になっているはずなので、[自動]を選択する。
の設定後、まず[適用]をクリックしてスタートアップの種類を変更する。
をクリックするとこのボタンが有効になるので、さらにこの[開始]ボタンをクリックして、サービスを開始する。

手順4――「Windows Aero」テーマの選択とカスタマイズ

 以上でWindows Aeroを起動する準備は整った。デスクトップ上の空き領域を右クリックし、ポップアップ・メニューから[個人設定]を選択する。表示された「個人設定」ダイアログで、[ウィンドウの色とデザイン]をクリックする。

Windows Aeroの起動
次はWindows Aeroテーマを選択する。デスクトップ上の空き領域で右クリックし、ポップアップ・メニューから[個人設定]を選択するとこのダイアログが表示される。
これをクリックする。

 をクリックすると[デザインの設定]ダイアログが表示されるので、「配色」で「Windows Aero」を選択する。3Dをサポートしたグラフィックス・カードとそのドライバが正しくインストールされていないと、この選択肢は表示されない。

「Windows Aero」の選択
このダイアログで「Windows Aero」を選択すると、Window Aeroが有効になる。
これを選択する。正しくグラフィックス・ドライバがインストールされていなかったり、グラフィックス・カードが十分な3D機能をサポートしていなかったりする場合は、この項目は表示されない。
これをクリックしてWindows Aeroに変更する。

 [OK]か[適用]ボタンをクリックすると、しばらく切り替え処理が行われた後、Windows Aeroが有効になるはずである。例えばウィンドウ枠が透明表示されていれば、正しくAeroが起動していると確認できる。

Windows Aeroが有効になったWindows Server 2008 Enterprise Editionのデスクトップの例
Windows Aeroが有効になると、例えばこのようにウィンドウ枠が透明表示される。また3Dフリップ([Windows]+[Tab]による、3D形式のウィンドウ選択機能)も利用できる。
これは[ウィンドウの色とデザイン]の設定画面。ウィンドウの透明だと見づらい場合は、このチェックボックスをオフにする。
Windows Server 2008に付属している壁紙はこの1枚のみ。Windows Vistaのようなサンプルの壁紙は何も用意されていない。
ウィンドウ枠が透明表示されている。

 以上でWindows Server 2008にWindows Aeroを導入することができたが、Windows Vistaのものと比べるといくらか制限がある。3Dフリップ([Windows]+[Tab]による、3D形式のウィンドウ選択機能)は利用できるが、壁紙は1枚しか用意されていないし、サイド・バーも利用できない。またゲームやマルチメディア・アプリケーションなども利用できない。詳しい制限については、前掲のサポート技術情報を参照していただきたい。End of Article

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