[System Environment] | ||||||||||||
Windows 2000のインストールとService Packの適用を一度に行う方法(1)
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解説 |
Windowsのような複雑なシステムにはバグがつきものだ。またインターネット接続が常識となった最近では、ソフトウェアの動作不良だけでなく、セキュリティ・ホールへの対応も重要になっている。これら、Windows 2000のシステムに含まれる不具合や、セキュリティ・ホールを修正するためのモジュールは、随時インターネット上などで提供されている。さらにマイクロソフトは、一定のタイミングでそれらの修正モジュール群をひとまとめにし、Service Pack(SP)として提供している。2000年2月に出荷されたWindows 2000に対し、最初のService Pack 1(SP1)は2000年9月に、次のService Pack 2(SP2)は2001年6月に、そして3番目のService Pack 3(SP3)は2002年8月に、それぞれ提供が開始された。すでに本サイトでは、これらService Packについて、「運用:Windows 2000 Service Pack 1日本語版がついに登場」と「Insider's Eye:Windows 2000 Service Pack 2日本語版」、「Insider's Eye:Windows 2000 Service Pack 3 日本語版がついに登場」でそれぞれ詳しく紹介している。Service Packの詳細については、これらを参照されたい。
最も理想的な方法は、Windows 2000+SPを最初からインストールし直すこと
単独の修正モジュールや、次々と登場するセキュリティ・パッチを個別に適用することに比較すれば、それらをひとまとめにしたService Packは便利なものだし、万一何かが起こった場合に、サポート担当者にシステムの現在の状態を説明するのも簡単だろう(とはいえ、セキュリティ・パッチなどはSPの発表後も続々と新しいものが公開されている。これらのうち必要なものについては、パッチを適用するしかない。パッチの適用方法については、別稿の「TIPS:セキュリティ・パッチを適用する」などを参照)。この点については、マイクロソフトも同社発行の技術文書の中で力説している(Microsoft TechNet Online「修正プログラムよりサービスパックが優れている理由」)。しかしService Packを組み込むと、システムの基本モジュールがガラっと更新されることになる。このため、特にアプリケーションやデバイス・ドライバを数多く追加して、インストール直後から構成が大きく変わっている場合には、Service Packの追加によってシステムが不安定になることもままあるようだ。従って既存のシステム、特に万一の場合に影響が大きいサーバに対するService Packの適用には慎重を期すべきだ。
理想的な方法は、これを期にハードディスクをいったんフォーマットし直し、Windows 2000の再インストールからやり直して、Service Packを適用することだ。アプリケーションなどのインストール/アンインストールなどを繰り返したPCでは、Windowsのシステムフォルダに未来永劫使われることのないデバイス・ドライバや、DLLファイルなどの残骸がたまっているものだ。Windows 2000の再インストールから始めれば、これらのゴミを一掃できる。空きディスク領域がおどろくほど増え、そしておそらくは、システムの処理性能も向上するだろう。万一トラブルが起こったとしても、ステップを追って環境の再構築を行うことになるので、原因を特定しやすい。
具体的には、既存のWindows 2000システムから必要なデータなどをバックアップした後、ハードディスクをフォーマットして(この際だから、いままでのハードディスクはとっておいて、新しい大容量のディスクに交換するという手もある)、Windows 2000をインストールし、その後Service Packをインストールするという2段階の手順を踏む。いま述べたとおり、Service Packは、システムの基本モジュールを数多く置き換える。しかしこの方法では、すぐ後から上書きされることを承知で、まずは元のWindows 2000をインストールしなければならない。これは時間の無駄である。このような場合には、Service Packの「適用済みインストール」と呼ばれる機能を応用すれば、時間の無駄を節約して、Windows 2000のインストールとService Packの適用を一度に行えるようになる。
SP適用済みインストール・イメージをCD-Rに書き込む
Service Packの「適用済みインストール」を簡単に説明すれば、最初にWindows 2000のインストールCDのファイルをハードディスクにコピーして、このコピーに対してService Packの適用、すなわち必要なファイルの置き換えを実行する。こうして出来上がったハードディスク上のファイル群は、Service Packが適用されたWindows 2000のインストール・イメージとなる。このイメージを使ってWindows 2000をインストールすれば、Windows 2000のインストールとService Packの適用を一度に実行できるというわけだ。
本来この「適用済みインストール」は、大量のクライアントを抱えるネットワーク管理者が、ネットワーク上の共有フォルダにService Packの適用済みインストール・イメージを作成しておき、クライアントへのインストール作業を効率化するという目的で追加された機能である。インストール対象となるクライアントPCで、共有フォルダをネットワーク・ドライブとしてマウントし、適用済みインストール・イメージにアクセスできるようにして、ここからWindows 2000(およびService Pack)をインストールする(ただしこれには、ネットワーク・アクセス機能を持った最低限のMS-DOS環境などをクライアント側で起動する必要がある)。
しかし、CD-ROMドライブを読み書き可能な状態でコンピュータを起動できる環境があるなら、上の方法で作成した適用済みインストール・イメージをCD-Rなどに書き込んでおいて、ここからWindows 2000(およびService Pack)をインストールすることも可能である。この方法なら、ネットワーク機能のないスタンドアロンのクライアントでも使えるし、サーバ上に適用済みイメージを保存しておく必要もない。
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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
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Windows 2000のインストールとService Packの適用を一度に行う方法(1) | ||
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「Windows TIPS」 |
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