[System Environment] | |||||
Windows 2000のインストールとService Packの適用を一度に行う方法(2)→ 解説を読むデジタルアドバンテージ 2001/06/22 2002/08/29更新 |
操作方法 |
Service Packの適用済みWindows 2000インストール・イメージを作成する
それでは、手順を追って具体的に説明していこう。今回は例として、Windows 2000 Service Pack 3を適用する。SP3の適用済みイメージを作成するためには、Windows NT/2000/XPのコマンド・プロンプト上での操作が必要である(Windows 9x/Meでは実行できない)。以下ではWindows 2000での例を示す。
まずは、元となるWindows 2000インストールCDのイメージを作業用のハードディスク・フォルダにコピーする。今回は、D:ドライブの「D:\WIN2000」というフォルダを作業用として作成し、E:ドライブにCD-ROMがマウントされているとする。Windows 2000のインストールに必要なファイル群は、インストール用CD-ROMの\I386フォルダ以下にあるので、ハードディスク側にも「D:\WIN2000\I386」というフォルダを作成して、そこにCD-ROMからファイルをコピーする(Windows 2000のインストールには必要ないが、できることならば\I386フォルダ以外のファイルやフォルダもすべてコピーしておくと便利である。後で起動用フロッピーを作成する場合には、\BOOTDISKフォルダの内容が必要になる)。
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作業用フォルダの作成とインストール・イメージのコピー | ||||||
最終的なイメージは、「I386」というサブフォルダの中に作成する必要がある。ここでは\I386フォルダしかコピーしていないが、後で起動用フロッピーを作成したりすることを考えると、オリジナルのCD-ROMの内容をすべてコピーしておく方が望ましい。また最終的に作成されるCD-Rのボリューム・ラベルは、オリジナルのものと一致させておくこと。 | ||||||
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次に、この作業フォルダに対して、SP3を適用する。Service Pack 3をネットワークからダウンロードした場合には、すべてのファイルを圧縮したアーカイブ・ファイル(W2KSP3.EXE)が入手できるので、これを統合モードで実行する(高速インストール・モードで入手したSP3EXPRESS.EXEは利用できない。CD-ROM配布サービスでSP3を入手したときには、このCD-ROMのルート・フォルダにW2KSP3.EXEコマンドがある)。
統合モードで実行するには、適用先の作業フォルダを「-s:」オプションで指定してW2KSP3.EXEを実行する。このとき、適用先のフォルダ名には、「I386」フォルダを含む親フォルダ(今回の例では「D:\WIN2000」)を指定する。なおこのW2KSP3.EXEコマンドは、Windows 2000のコマンド・プロンプトから実行するか、[スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]を使って起動する。
C:\>W2KSP3 -s:d:\win2000 |
こうすると、統合モードでUPDATE.EXEが実行され、指定先にSP3が適用される(ターゲット・フォルダのドライブ名まできちんと指定すること。上の例では「d:」だが、これを省略すると途中でエラーになるので注意)。実行中には次のようなダイアログが表示される。
W2KSP3.EXEを統合モードで実行したときに表示されるダイアログ |
統合処理の進行状態がプログレス・バーで着々と表示される。 |
なおWindows 2000のSP3ではなく、SP1およびSP2の場合には、このようにSPの実行ファイルを統合モードで直接起動してイメージを作成することはできない(途中でエラーになる)。まずはいったんService Packを構成するファイルを「-x」オプションを付けてすべて展開する必要がある(「W2KSP2 -x」というふうに実行する)。そして次に展開されたI386\UPDATEフォルダ中にあるUPDATE.EXEに対して、統合モードのオプション -s を付けて実行する(「I386\UPDATE\UPDATE.EXE -s:d:\win2000」を実行する)。
イメージが作成されたら、作業フォルダ(D:\WIN2000)以下の内容をすべてCD-Rメディアにコピーする。このとき、CD-Rのボリューム・ラベルは、オリジナルのWindows 2000のインストールCD-ROMのラベルと同じに設定しておく。
こうして作成されたSP適用済みイメージを使って、新たにWindows 2000をインストール(もしくは更新インストール)するには、大きく分けると2つの方法がある。既存のOS(MS-DOSやWindows NT、Windows 2000)上からインストール・プログラム(\I386\WINNT.EXEか\I386\WINNT32.EXE)を起動する方法と、Windows 2000のインストール用起動フロッピー(4枚組み)を使ってインストール作業を行う方法である。後者の方法は、Windows 2000のオリジナルCD-ROMを使ってインストールする方法に似ている。以下、それぞれの方法についてまとめておく。
方法1―既存のOS上からインストール・プログラムを実行する方法
Windows 2000パッケージに付属CD-ROMとは異なり、以上のような手順で作成したCD-Rはブータブル(起動可能)ではない(Windows 2000用のブータブルCD-Rの作成は理論的には可能だが、簡単ではない)。そのため、何らかの方法を使ってインストールCD-Rにアクセスし、その中にあるインストール・プログラム(WINNT.EXEかWINNT32.EXE)を起動する必要がある。そのための1つの方法が、既存のOS上からアクセスするという方法である。具体的には、次のような方法がある。
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すでに稼働中のWindows 9x/Me上から、CD-R上の(もしくはネットワーク上に用意した)\I386\WINNT32.EXEを実行して、Windows 2000を新規インストールする。
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すでに稼働中のWindows NT/2000上から、CD-R上の(もしくはネットワーク上に用意した)\I386\WINNT32.EXEを実行して、Windows 2000を(新規もしくは更新)インストールする。すでにWindows 2000が導入されている場合は、別のWindows 2000システムを追加でインストールすることになる。
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CD-RをアクセスできるMS-DOS環境を用意し(Windows 9xやMeのブート・フロッピーを使用する)、CD-R上の\I386\WINNT.EXEを実行して、Windows 2000をインストールする。起動フロッピーはWindows 9xやMeでブート・ディスクとして作成することができる。
1と2の方法については特に問題はないであろう。OS上からインストール・プログラムを起動するだけでよい。
3の方法については注意しなければならない点がある。MS-DOSなどから起動してWindows 2000のインストール・プログラムWINNT.EXEを実行した場合、インストール・プログラムは、最初にインストール用のファイル群をCDからハードディスク上に一時的にコピーし、以後のインストール処理を続行するようになっている(インストールを終えると、これらの一時ファイルは消去される)。そのため、この方法でWindows 2000をインストールするには、あらかじめハードディスクにパーティションを作成して、MS-DOSからアクセス可能なようにフォーマットしておく必要がある。MS-DOSから起動するなら、FAT32ボリュームでよいだろう。Windows 2000のインストーラは、インストール時にこのFAT32ボリュームをNTFSに変換する機能を持っているので、Windows 2000のインストール後は、NTFSボリュームとして使用できる(もちろん希望するなら、FAT32のままWindows 2000をインストールすることもできるし、このFAT32ボリュームとは別のボリュームにWindows 2000をインストールすることも可能である)。
CD-ROMドライブを読み書き可能な状態でMS-DOSなどを起動し、ハードディスクにパーティションを作成してFAT32でフォーマットしたら、CD-Rドライブの\i386フォルダにあるWINNT.EXEを実行して、Windows 2000のインストールを開始する。インストールが完了すれば、Service Packが適用された状態のWindows 2000環境が利用可能になっているはずだ。
方法2―起動フロッピー・ディスクを使ってWindows 2000をインストールする方法
今回作成されたCD-Rは、自動的にブートする形式ではない(ブータブルにするのは不可能ではないが、簡単ではない)。そのため既存のOSをまったく使わずに、システムにクリーン・インストールするためには、Windows 2000インストール用の起動フロッピー・ディスクを作成し、これを使ってインストール作業を行わなければならない。「起動フロッピー」を使えば、ブータブルCD-ROMをサポートしていないようなシステムにおいても、CD-ROMからインストールを行うことができる。Windows 2000の起動フロッピーは4枚組みであり、この中にはWindows 2000のインストーラの基本部分が入っている。まずはこれを使って基本的なインストーラを立ち上げ、その後の作業はCD-ROMドライブからファイルを読み取って続行する。
起動フロッピーに書き込むべきファイルは、オリジナルのWindows 2000のインストールCD-ROMの「\BOOTDISK」フォルダに格納されている。フォーマット済みの2HDディスクを4枚用意してから、この中にあるMAKEBOOT.EXE(MS-DOSの場合)かMAKEBT32.EXE(Windows 9x/Me/NT/2000の場合)を実行すると、4枚のディスクが作成される。具体的な手順については「TIPS―Windows 2000のインストール用起動フロッピーを作成するには」を参照していただきたい。
以上で起動フロッピーが作成されるが、SP統合済みインストールを行う場合は、さらにいくらかの作業が必要となる。というのは、これらの起動ディスクに含まれている各種の設定ファイルやドライバ・ファイルは、SPが適用される前の古いものだからだ。この起動フロッピーを使ってSP統合済みCD-Rを読み込ませようとすると、インストールの途中でエラーが発生してしまう。これを避けるためには、フロッピー内の各ファイルを、Service Packのバージョンに合わせて更新しておかなければならない。
フロッピー内にあるファイルのうち、少なくともTXTSETUP.SIFファイル(1枚目に格納されている)だけは必ず更新しておかないと、インストール作業がまったく行えない。そのほかのファイルは、主にデバイス・ドライバ類なので、(手元で試した限りでは)オリジナルのファイルでも問題なくインストール作業はできるようだが、環境によってはトラブルが発生するかもしれないので(システムによっては、Service Packで更新された最新ドライバが必要だったりする)、念のためにすべてCD-R中のものに更新しておこう。
更新方法は、コマンド・プロンプトで以下のようにすればよい。xcopyコマンドを使って、フロッピー上のファイルを、CD-R上のファイルで(日付が新しいものだけ)上書きしている(いずれもCD-R上の\I386フォルダに格納されている)。こういう操作を行う場合、ファイル・サイズが大きくなっていないかどうかが心配であるが、幸運なことに、SP3の場合はオリジナルのファイルをそのまま上書きしてもディスク・フルにはならないようである(将来のService Packのバージョンではどうなるか分からないが)。
※ CD-RはE:に入っているものとする |
xcopyの「/e」はサブフォルダまですべてコピーするオプション、「/d」は新しいファイルだけを上書きコピーするオプション、「/u」はコピー先に存在するファイルだけをコピーするオプション、「/y」は(ユーザーに問い合わせずに)ファイルをコピーするというオプションである。
以上の操作で、最新の情報が反映された4枚の起動フロッピーが作成される。1枚目のフロッピーをシステムに挿入し、さらにCD-RディスクをCD-ROMドライブに挿入してシステムを再起動すると、最新のService Packが反映されたWindows 2000のインストールが行える。
Windows 2000 Service Pack 3に対する補足
Windows 2000のService Pack 3を使ってService Pack適用済みイメージを作成し、新たにWindows 2000システムをインストールした場合、状況によってはWindows Updateの実行が失敗することがある。Service Pack適用済みインストールを行っても、セキュリティ対策のためにはWindows Updateによるシステムの更新は必須なのだが、Windows 2000 SP3システムではこれが正しく動作しない可能性がある。詳細はサポート技術情報の「JP436478―Windows 2000 Service Pack 3 適用後に、Windows Update でエラーが発生」に掲載されているが、原因はSP3に含まれている一部のファイルが、本来含まれているべきバージョンのものよりも古いために発生する。これを解決するためには、%windir%\system32\iuctl.dllというファイルを削除してから、もう一度Windows Updateを実行すればよい。
このように対策方法は簡単だが、次のようにすれば、この不具合が起こらないようなService Pack 3適用済みイメージを最初から作成することができる。まず既存のWindows 2000システム上でWindows Updateを実行し、最新の%windir%\system32\iuctl.dllファイルを入手する。本稿執筆時点(2002年8月末)では、サイズが100,720bytesのiuctl.dllファイル(日付は2002/05/23)がシステムにインストールされていた。次に作成するCD-Rイメージの\I386フォルダからiuctl.dl_を削除し、代わりに新しいiuctl.dllファイルを\I386フォルダに書き込む。元のSP3のiuctl.dl_ファイルは圧縮されているが、新しく置き換えるファイルは圧縮せずに、iuctl.dllのままでよい。あとはこのイメージをCD-Rに書き込めば、Windows Update対策済みのService Pack 3適用済みイメージを作成することができる。
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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
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