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ネットワークの修復機能とは

デジタルアドバンテージ
2003/11/08
 
対象OS
Windows XP Home Edition
Windows XP Professional
Windows Server 2003
Windows XP以降のOSには、ネットワークを「修復」する機能が用意されている。
ネットワークを「修復」すると、IPアドレスの再更新のほか、サーバなどに対する再登録作業も行われる。
ネットワークのトラブルシューティング時には、これらの修復作業を手動で行い、結果を確認しながら作業を進めるとよい。
 
解説

ネットワークを「修復」する

 Windows XPやWindows Server 2003のネットワーク・インターフェイスには、「修復」という機能が用意されている(タスク・バーの通知領域上にあるネットワーク・アイコンをダブルクリックして[サポート]タブを選択するか、[ネットワーク接続]でネットワーク・インターフェイスを選択し、ポップアップ・メニューから[修復]を選択する)。

ネットワークの「修復」機能
ネットワーク・インターフェイスの[サポート]タブには、[修復]というボタンが用意されている。[修復]というボタンをクリックすると、ネットワーク・インターフェイスの状態が表示される。なお、このダイアログを表示させるには、タスク・バーの通知領域上にあるネットワーク・アイコンをダブルクリックして[サポート]タブを選択する([接続時に通知領域にインジケータを表示する]というチェック・ボックスをオンにしておくこと)。もしくは[ネットワーク接続]でネットワーク・インターフェイスを選択し、ポップアップ・メニューから[修復]を選択しても修復作業が行われる。
  現在割り当てられているIPアドレスなどの情報。
  物理アドレス(MACアドレス)やDNSサーバ、WINSサーバ情報なども含む、より詳しい情報が表示される。
  これをクリックすると、ネットワーク・インターフェイスの[修復]作業が行われる。

ネットワークの「修復」とは?

 [修復]ボタンをクリックすると、以下のような作業が順番に行われる。「」の内部に表記したのは、コマンド・プロンプト上で実行する場合の、該当するコマンドである。

  1. DHCP(動的ホスト構成プロトコル)のリース期間の更新―「ipconfig /renew」
  2. ARPキャッシュのフラッシュ―「arp -d *」
  3. NetBIOS名前キャッシュの再ロード―「nbtstat -R」
  4. NetBIOS名の再登録要求の送信―「nbtstat -RR」
  5. DNS名前キャッシュのフラッシュ―「ipconfig /flushdns」
  6. DNS名の再登録―「ipconfig /registerdns」

 これを見ても分かるように、ネットワークの「修復」とは、DHCPサーバやWINSサーバなどの不調によって、登録状態が不安定になった状態を、元に戻すために行う一連の操作のことである。Windows 2000のような修復機能を持たないOSの場合でも、これらのコマンドを順番に実行すれば、同じ効果が得られることになる。また、ネットワークのトラブルシューティングを行う場合でも、これらの手順を1つずつ確認しながら手動で実行すれば、トラブルシューティングの助けにもなるだろう。これでもトラブルが解決しない場合は、「修復」よりもさらに進んだ手段として、ネットワーク・インターフェイスの「無効化」と「再有効化」を行うという方法もある。こうすると「修復」だけでなく、例えばTCP/IPプロトコル・スタックの再起動などといった、より多くの作業が行われる。

 1.のDHCPによるIPアドレスの更新は、例えばAPIPAなどによって割り当てられたIPアドレスをキャンセルして、新たにDHCPサーバからIPアドレスを割り当ててもらうために実行する。また、DHCPサーバの調子が不安定で、うまくIPアドレスが取得できなかったような場合にも有効な手段である。

 ただし、実際に実行する場合には「ipconfig /renew」ではなく、「ipconfig /release」「ipconfig /renew」という2つのコマンドを続けて実行する方がよいだろう。DHCPサーバが途中で変更されたような場合は、最初にいったんリリース(IPアドレスの解放)を行っておかないと、古いDHCPサーバにずっと問い合わせ続け、更新に失敗することがあるからだ。そのためにも、最初にいったん解放作業を行うのが望ましい。

 2.のARPキャッシュの解放は、通信相手のMACアドレスが途中で変わったような場合に、強制的にARPテーブルを更新させるために利用する。通常はARPテーブルの内容は時間が経てば自動的に更新されるが、すぐに変更したいような場合に利用する。

 3.と4.のNetBIOS名キャッシュの更新は、自ホストや相手ホストのNetBIOS名とIPアドレスの対応関係が変更されるなど、うまく通信できないような場合に行う手段である。DHCPによって割り当てられたIPアドレスが変更されたような場合、WINSサーバなどが保持している情報が一致しなくなるが、そのような場合には、このコマンドを実行してデータベースを強制的に更新させる。

 5.のDNSキャッシュのフラッシュ(破棄)は、DNSサーバに登録されている情報が古くなった(名前やIPアドレスなどの情報が更新されたり、破棄されたりした)場合に、現在のDNSキャッシュの内容をいったん捨て、新しくDNSサーバに問い合わせるために行う。通常、1度DNSキャッシュに登録された情報は、その期限内(TTL:Time To Live値。DNSサーバの管理者が設定する)はキャッシュに保持され、期限が来るまではDNSの再問い合わせが発生しないように抑制しているが、そのため、DNSサーバ側の情報が更新されても期限が来るまでは古い情報を参照し続けてしまうことになる。このような場合には、DNSキャッシュをフラッシュして、必ずDNSサーバに問い合わせを行う必要がある。

 6.のDNS名の再登録は、例えばActive Directoryで利用しているDNSサーバなどに対して、自身のホスト名とIPアドレスの再登録(DNSの更新要求)を行う。IPアドレスがうまくDNSサーバに登録されていないような場合に、強制的に再登録を行うために実行する。End of Article

  関連リンク
 

[LAN または高速インターネット接続の修復オプションについて (マイクロフト サポート技術情報)

     
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