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DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)

【ディー・エッチ・シー・ピー】

最終更新日: 2005/04/01

 ネットワーククライアントに対して、IPアドレスやサブネットマスクなどのネットワーク情報を動的に割り当て可能にするプロトコル。本来TCP/IPネットワークでは、IPアドレスなどのネットワーク設定を各クライアントごとに行わないと正しく通信できないが、このDHCPを利用すれば、クライアント側の設定は一律「サーバから必要な情報を取り出す」という構成にしておき、ネットワークの利用時に必要な情報を割り当てられるようになる。ユーザーからすれば、面倒なネットワーク設定を省略することができ、管理者からすれば、一元的なネットワーク管理が可能になる。Windows 9xやWindows NT 4.x、MacOSなどでDHCPのクライアントモジュールが標準添付されるようになり、広く利用されるようになった。ダイヤルアップでインターネットサービスプロバイダに接続する場合なども、DHCPを利用してIPアドレスを始めとするネットワーク設定を行うのが一般的である。

 DHCPは、IPアドレスやサーバアドレスなどの設定ファイルを起動時に読み込めるように開発されたBOOTP(BOOTstrap Protocol)をベースとする上位互換規格である。ただしこのBOOTPは、ディスクを搭載しないディスクレスクライアントが、使用すべきIPアドレスやサーバアドレス、起動用プログラムのロード先などを見つけてシステムを起動可能にすることを目的として作成されたもので、クライアントのIPアドレスやホスト名などはあらかじめ決定しておく必要があった。これに対しDHCPでは、クライアントがIPネットワークに参加するためのすべてのパラメータ(IPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイアドレス、ドメイン名など)を動的に割り当てられるようにした。サーバ側では、DHCPクライアント用として、いくつかのIPアドレスを用意しておき(これはアドレスプールと呼ばれることがある)、DHCPクライアントの要求に応じて、この中から1つのアドレスを割り当てるようにする。ただしネットワークパラメータの要求・応答のために、クライアントとサーバ間でやり取りされるメッセージの内容や、通信手順などは、元となったBOOTPのそれをほとんどそのまま使用する。

 DHCP標準は、RFC 1541で規定されている。

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