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Windows OSで有効なDHCPオプション
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解説 |
DHCPサービスは、IPアドレスやネットマスクの値などの設定を自動化する機能であるが、DHCPサーバからDHCPクライアントに渡されるオプションはこれだけではない。標準で定義されているものだけでも50種類以上あり、さらに必要に応じてユーザーが独自のオプションを定義して利用することができる。それらのオプションはすべてDHCPの管理ツールで設定できるが、実際にWindows OSで利用されているオプションの種類はわずか5つ程度である。本TIPSでは、これらのオプションについてまとめておく。
Windows OSで有効なDHCPオプション
DHCPの管理ツールを利用すると、スコープごとにどのオプションをクライアントへ渡すかを定義することができる。クライアントがWindows OSだけならば、次のようなオプションを設定しておけばよい。
Windowsネットワークにおける標準的なDHCPオプション設定 | ||||||
Windows OSでは、これらのDHCPオプションのみが利用される。 | ||||||
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ここには表示されていないが、サブネット・マスクの値は常にクライアントへ渡されるし、NetBIOSのクラスIDは実際にはほとんど使われることはないので、定義する必要はない。これらのパラメータをまとめると、次のようになる。
番号
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オプション | 意味 |
(−)
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(IPアドレス) | これはオプションではなく必須パラメータであり、オプション指定として定義することはできない |
(001)
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(サブネット・マスク) | ネットワークのサブネット・マスク値。この値は暗黙のうちに定義され、クライアントへ渡されるので、DHCPオプションとしてユーザーが明示的に指定することはできない |
003
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ルータ | デフォルト・ゲートウェイのIPアドレス。複数指定可 |
006
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DNSサーバ | DNSサーバのIPアドレス。複数指定可 |
015
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DNSドメイン名 | クライアント・コンピュータ名に付けるDNSサフィックス。例えばFQDN名がpc01.example.co.jpならば「example.co.jp」を指定する |
044
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WINSサーバ | WINSサーバのIPアドレス。複数指定可 |
046
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NetBIOSノード・タイプ | NetBIOSのノード・タイプを表す数値。後述 |
047
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NetBIOSスコープID | NetBIOS over TCP/IP(NBT)のスコープID文字列。通常はこの値は指定してはいけない(空文字列)。スコープIDを定義すると、同じスコープIDを持つNBTノード同士でしか通信できなくなる |
Windows OSで有効なDHCPオプション |
この中にあるNetBIOSノード・タイプは、NetBIOS over TCP/IP(NBT)における名前解決の方法を決めるパラメータである。詳細については連載「基礎から学ぶWindowsネットワーク」の第19回「3.NBTのノード・タイプと名前解決の手段」を参照していただきたいが、ブロードキャストと、(WINSサーバに対する)直接問い合わせをどう組み合わせるかを表している。実際には以下の4つの数値のいずれかを設定する。WINSサーバが用意されている環境では、8の「hノード」がよく使われる。
数値
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ノード・ タイプ |
意味 |
1
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bノード | ブロードキャストのみを使用 |
2
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pノード | WINSサーバのみを使用 |
4
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mノード | ブロードキャスト後、WINSサーバを使用 |
8
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hノード | WINSサーバを使用後、ブロードキャストを使用 |
ノード・タイプの種類と名前解決の方法 |
これらのオプション以外には、例えばNTPサーバやプリント・サーバ、TFTPサーバのIPアドレスなどを定義したりすることもできるが、標準的なWindows OSでは利用されない。ただしWPADによるWebブラウザのProxy設定など、アプリケーションによってはいくつか使用される場合もあるので、必要に応じて設定していただきたい。
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関連リンク | ||
クライアント側がサポートしている DHCP オプション(マイクロソフト サポート技術情報) | ||
DHCP サーバーから追加の DHCP オプションを要求する方法(マイクロソフト サポート技術情報) | ||
DHCP サーバー オプションを使用して NetBIOS over TCP/IP を無効にする方法(マイクロソフト サポート技術情報) | ||
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このリストは、デジタルアドバンテージが開発した自動関連記事探索システム Jigsaw(ジグソー) により自動抽出したものです。
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