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Office 2003のキャッシュ用フォルダを移動してブート・ボリュームを空ける

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ 島田 広道
2007/09/07
 
対象ソフトウェア
Office 2003
Windowsを使い続けていると、しばしばブート・ボリュームの空き容量が足りなくなることがある。
その原因の1つに、Office 2003の「ローカル・インストール・ソース」というインストールCDのキャッシュ用フォルダがある。
マイクロソフトが無償で公開している「LISツール」を使えば、このローカル・インストール・ソースを別のボリュームに移動して、ブート・ボリュームに数百Mbytesの空きを確保できる。

解説

 Windowsを使い続けていると、ブート・ボリューム(Windowsのシステム・ファイルがあるボリューム)に格納されるプログラムやデータのファイルが増え続ける結果、しばしばブート・ボリュームの空き容量が足りなくなることがある。そのまま放置すると深刻なシステム障害を招くこともあるため、何とかして空き容量を増やさなければならない。

 もしOffice 2003ファミリを利用しているなら、その「ローカル・インストール・ソース」を別のボリュームへ移動することで簡単にブート・ボリュームの空き容量を増やせる可能性がある。

ローカル・インストール・ソースが数百Mbytesを消費している!?

 「ローカル・インストール・ソース」とはOfficeのインストールCDのキャッシュ用フォルダのことで、パッチ適用時やコンポーネントの追加時にいちいちインストールCDを用意せずに済むようにOffice 2003から導入されたしくみである。Office 2003のインストールを始めると、Office 2003のセットアップ・プログラムは通常、インストール先のPCで最も空き容量の大きなボリュームを探してローカル・インストール・ソース用のフォルダを作成し、インストールCDの内容をコピーする。その後、(コンポーネントの追加やパッチ適用などで)運用中にインストールCDを必要とする処理が発生すると、まずローカル・インストール・ソースが参照されるため、ここで必要なファイルがすべて見つかればインストールCDは不要となる。

 このように管理の手間を省いてくれるローカル・インストール・ソースだが、インストールCDをキャッシュする分のディスク容量を消費するという欠点がある。その容量は、完全にキャッシュされていると約300M〜500Mbytesにもなる(複数のOffice 2003ファミリ製品がインストール済みならさらに増える)。PCのディスク構成に依存するが、筆者の経験ではローカル・インストール・ソースがブート・ボリュームに配置される可能性は非常に高い。もしブート・ボリュームにこれだけの容量を消費するローカル・インストール・ソースが存在している*1せいで容量不足を招いているならば、増設したハードディスクなど別のボリュームに移動したいところだ。

*1 ローカル・インストール・ソースの有無を確認するには、各ボリュームで\MSOCACHEという隠しフォルダを探せばよい(例:C:\MSOCACHEなど)。Office 2003の場合、ローカル・インストール・ソースの実体はこのフォルダ以下に存在する。

 ローカル・インストール・ソースを移動するには、マイクロソフトが無償で提供している「Local Installation Source Tool(LISツール)」を利用する。これはGUIで簡単に設定できるツールで、1回の実行で目的を達せられる。ディスク・クリーンアップ・ツールのように定期的に実行を繰り返す手間は不要だ。

操作方法

ローカル・インストール・ソースを移動するための必要条件

 ローカル・インストール・ソースの移動先ボリュームの空き容量は、最低でもキャッシュするOffice 2003ファミリのインストールCDと同程度は必要だ(下表)。LISツールは空き容量として最低290Mbytesが必須で、推奨は1Gbytes以上としている。

製品名 容量
Office Personal Edition 2003 309Mbytes
Office Standard Edition 2003 310Mbytes
Office Professional Edition 2003 494Mbytes
Office Standard Edition 2003 Enterprise 317Mbytes
Office Professional Edition 2003 Enterprise 515Mbytes
代表的なOffice 2003スイートのインストールCDの容量(実測値)
インストールCDの内容の大半がキャッシュ対象のファイルなので、おおよそ上記の容量分の空きが必要になる。複数のOffice 2003ファミリ(スイート以外の単体版やVisio、OneNoteなどを含む)をインストールしてある場合、全製品のローカル・インストール・ソースを一緒に移動しなければならないため、おおよそ、その合計の容量が必要になる。

 また移動先にネットワーク・ドライブやリムーバブル・メディアは指定できない。基本的に固定接続のハードディスク上のボリュームが対象と考えておけばよい。

 なお、移動時にOffice 2003のインストールCDは用意しなくてよい。

LISツールを準備する

 ローカル・インストール・ソースを移動するLISツールは、以下のマイクロソフトのWebページからダウンロードできる。

 ダウンロードしたアーカイブ・ファイル(LISTool.exe)を実行すると、以下の画面が表示されるので展開先のフォルダを指定して[OK]ボタンをクリックする。すると、そのフォルダにLISツールの本体とヘルプが展開される。

ダウンロードしたLISTool.exeを実行したときに表示されるダイアログ・ボックス
展開先フォルダを指定して[OK]ボタンをクリックすると、LISツールの本体のLISTOOL.EXEとヘルプのLISTOOL.CHMが展開される。アーカイブ・ファイルと展開されるファイルの名前が重複しているので、誤って上書きしないように注意する。

 展開されたLISツールはそのまま直接実行できる(別途インストーラを起動したりする必要はない)。

ローカル・インストール・ソースを移動する手順

 ローカル・インストール・ソースを別のボリュームに移動するには、展開されたLISTOOL.EXEを実行してLISツールを起動し、最初の画面で[LIS を別のドライブに移動する]を選ぶ。

LISツールの起動画面
LISツールはローカル・インストール・ソースの移動や削除のほか、完全にキャッシュする機能も持っている。
  ローカル・インストール・ソースを移動するためにはこれを選択する。

 [次へ]をクリックして使用許諾契約書の条項に同意し、さらに[次へ]ボタンをクリックするとローカル・インストール・ソースを移動可能なボリュームの一覧が表示される。ローカル・インストール・ソースのサイズに対して空き容量の足りないボリュームは、この一覧に表示されないので注意しよう。移動先のボリュームを選択したら[次へ]ボタンをクリックする。

ローカル・インストール・ソースの移動先の選択
LISツールは、ローカル・インストール・ソースを移動できるだけの空き容量があるボリュームだけを選んで表示する。
  現在のローカル・インストール・ソースのありかはここに表示される。
  移動先のボリュームを選択して[次へ]ボタンをクリックする。

 ローカル・インストール・ソースのサイズが1Gbytes未満で、かつ移動先として選んだボリュームに1Gbytes以上の空き容量がないと、ここで警告のメッセージが表示される。空き容量が1Gbytesに満たなくても移動はできるが、将来の容量不足に備えるために、なるべく空き容量の大きいボリュームを選びたいところだ。

 ウィザードを進めるとローカル・インストール・ソースの対象ソフトウェアの一覧が表示される(以下の画面)。確認して[次へ]ボタンをクリックすると、ローカル・インストール・ソースにキャッシュされたファイルの移動などの作業が始まる。

ローカル・インストール・ソースの対象ソフトウェア一覧
インストール済みのOffice 2003ファミリ製品がこの一覧に表示されない場合、その製品用のローカル・インストール・ソースは削除済みである。なお、[Microsoft エラー報告]はデフォルトでキャッシュされるコンポーネントである。

 移動作業が終わると、「Microsoft Office ローカル インストール ソースの移動が完了しました。」というメッセージが表示されるので[OK]ボタンをクリックして完了させる。これでローカル・インストール・ソースの移動は完了だ。

TIPS:Office 2003のインストールCDを「完全」にキャッシュする方法

 移動の前後でローカル・インストール・ソースの内容(キャッシュされているファイル)は原則として変わらない。すわなち、移動前のキャッシュが「完全」でなければ移動後も完全ではなく、その後の運用中にインストールCDが要求される可能性がある。キャッシュを完全にするには、移動と同じくLISツールを利用する。その手順については関連記事を参照していただきたい。End of Article

  関連リンク
  インストール後のローカル インストール ソースの変更(Office 2003 Editions リソース キット)
  Office 2003 のローカル インストール ソース機能についてよく寄せられる質問 (FAQ)(サポート技術情報)
     
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