XMLサーバ/Cocoon自由自在!
第1回 Cocoonをセットアップしよう

Javaサーブレットエンジン:Tomcatのインストール

 連載の1回目にあたる今回は、まずCocoonを動かすための環境設定について解説します。CocoonはJavaサーブレットとして実装されていますから、まずJavaが動く環境と、サーブレットを動作させるための環境が必要です。もう少し詳しくいうと、JDK(Java Development Kit)1.1以上、Servlet API2.0以上が利用できる環境が必要になります。

 本連載ではJDKのインストールについては詳しく述べませんが、最低限、以下の環境変数が正しく設定されているかは確認しておいてください。

(1)JAVA_HOME

 JDKがインストールされたディレクトリへのパスを設定します。Windows環境においてC:\jdk1.2.2にJDKがインストールされているならば、下記のように設定しておきます。

SET JAVA_HOME=c:\jdk1.2.2
Windows環境におけるJAVA_HOMEの設定例


(2)CLASSPATH

 実行時に必要となるclassファイル、jarファイルへのパスを設定します。この連載の内容を試すだけならば、カレントディレクトリを示す"."のみを設定しておけばよいでしょう。Windowsでの設定例を以下に示しておきます。

SET CLASSPATH=.
Windows環境におけるCLASSPATHの設定例

 JDK1.2以上を使っている場合は、これに加え、JDKとともに配布されているtools.jarもCLASSPATHに追加しておく必要があります。同じくWindowsでの設定例を示しておきます。

SET CLASSPATH=.;%JAVA_HOME%\lib\tools.jar
Windows環境におけるCLASSPATHの設定例(JDK1.2以上)

(3)PATH

 javaコマンドを起動できるようにPATHを設定しておきます。Windowsでの設定例は下記のようになります。

SET PATH=%JAVA_HOME%\bin;%PATH%
Windows環境におけるPATHの設定例

 サーブレットを動作させるための環境としては、Tomcatを用いることにします。Servlet APIの正式なリファレンス実装であるという理由もありますが、なんといっても同じThe Apache Software Foundationのサブプロジェクトです。組み合わせて動かすパターンとしては最も実績があります。

 まずはこのTomcatをインストールするところから始めましょう。最初の作業はアーカイブのダウンロードです。

アーカイブのダウンロード

 Tomcatのアーカイブは「The Jakarta Project」(http://jakarta.apache.org/tomcat/)から取得することができます。

 ここからリンクをたどって、バイナリディストリビューションのページに進んでください。ダウンロードできるバージョンがいくつかありますが、本連載では2001年8月現在のリリースビルドの最新版である、Tomcat 3.2.3を用いることにします。

 アーカイブの形式はtarとzipの2種類が用意されていますので、環境に合わせて便利な方をダウンロードしてください。

アーカイブの展開

 ダウンロードしたアーカイブを適当なディレクトリに展開します。環境に合わせて適当に決めて構いませんが、ここではWindows環境を前提としてC:\Tomcatに展開することにします。

 展開できたら、インストールしたディレクトリへのパスを、環境変数TOMCAT_HOMEに設定してください。下記はWindowsでの設定例です。

SET TOMCAT_HOME=C:\Tomcat
Windows環境におけるTOMCAT_HOMEの設定例

動作確認

 インストール作業は一通り終わったので、実際に動作を確認してみましょう。

 新しいプロンプト(Windowsの場合)もしくはシェル(UNIX環境などの場合)を起動してください。Tomcatをインストールしたディレクトリに移動し、起動スクリプトを実行します。Windowsの場合はbin\startup.batを、UNIX環境の場合はbin/startup.shを実行してください。起動に成功すれば下記の画面1のような出力を確認できるはずです。

■画面1 Tomcat起動の様子

 Tomcatが起動したことを実際に確認してみましょう。Webブラウザを起動し、以下のURLをオープンしてください。

http://localhost:8080/

 Tomcatがちゃんと起動しているなら画面2のようなデフォルトページが表示されるはずです。

■画面2 Tomcatのデフォルトページ

 Tomcatを停止するには、Windowsの場合はbin\shutdown.batを、UNIX環境の場合はbin/shutdown.shを実行してください。以上でTomcatのインストールは完了です。

■コラム 〜 Apache+Tomcat+Cocoon
 今回はサーブレットエンジンとWebサーバを兼ねる形でTomcatを用いました。本文中では、Cocoonの組み合わせで最も実績があるのがTomcatと書きましたが、実用的にはもっとスタンダードな組み合わせがありますので、それを紹介しましょう。

 今回の設定では、Tomcatをサーブレットエンジンに使っていますが、 パフォーマンスの観点からいくと、HTMLやイメージなどの静的ドキュメントの取り扱いは、本職(?)のWebサーバに任せたいところです。このような要求もあって、TomcatはほかのWebサーバ、特にApacheと組み合わせて用いることができるようになっています。

 具体的には、mod_jkというモジュールをApacheに組み込むことにより、特定のURLのリクエストのみTomcatで処理するように指定できます。 例えば、.xmlの拡張子で終わるリクエストのみTomcatで処理するように設定すると、Apacheはクライアントから届く.xmlで終了するリクエストを、すべてTomcatに転送するようになります。Tomcatはリクエストを処理した結果をApacheに返し、Apacheは処理結果をそのままクライアントにスルーします。このように設定すれば、動的なXMLファイルはTomcatで処理し、静的なドキュメントはApacheで高速に処理することができるようになります。 Apache、TomcatそしてCocoonの組み合わせは、まさに黄金トリオといったところでしょうか。

Cocoonのデフォルト画面を表示する

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第1回 Cocoonをセットアップしよう
  CocoonでXMLパブリッシング
Javaサーブレットエンジン:Tomcatのインストール
  Cocoonのデフォルト画面を表示する

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