XML eXpert eXchange
第2回 読者アンケート結果
〜読者の選んだXMLツールの定番はこれだ!〜
小柴豊
アットマーク・アイティ マーケティングサービス
2000/12/21
今後eビジネスを推進していく上で、XMLの重要性が非常に高いという点についてはだれもが理解しているところだろう。そこですぐにも、“XMLでシステムを作ってみよう!”と行きたいところだが、その前にXMLを料理する道具を揃える必要がある。10月末から11月にかけて行われた「第2回XML eXpert eXchangeフォーラム・アンケート」から、読者が日頃XML開発に使っている各種“定番ツール”を見てみよう。
■データ編集は、手馴れたテキストエディタでXMLデータ編集などに使うエディタでは、約7割の読者が“テキストエディタ”を使用しており、XML編集に最適化された製品を使っている人は少なかった。ただ、こうしたXML対応製品の備えるツリー表示機能やDTD/スキーマによる入力支援機能などは、初心者や生産性向上を目指す開発者にとって試してみる価値はありそうだ。
図1 使用しているXMLエディタ/DTD・スキーマ設計ツール(複数回答) |
参考リンク)
■XMLパーサの主要3製品: XML4J、Xerces、MSXML
エディタでXML文書を作ったら、次はそれを検証する「XMLパーサ」の出番。こちらもフリーウェアから商用版までいろいろな製品が存在するが、読者の支持は、IBMの“XML
Parser for Java(XML4J)”、IBMがApache XMLプロジェクトに寄贈した“Xerces”およびマイクロソフトの“MSXML”の上位3製品に、ほぼ均等に集まった。IBMとマイクロソフトは、XMLベースのBtoBを推進するUDDIプロジェクトの中心的存在でもあり、両社のXMLに賭ける姿勢がパーサのシェアにも表れているように思われる。
図2 使用しているXMLパーサ(複数回答) |
参考リンク)
■XML開発者が使っている言語は“Java”
当然ながらXML文書を作り、パーサに通しただけではシステムにならない。最後にXMLのアプリケーションを開発、実行する言語環境について見てみよう。
読者がXMLアプリケーションを開発する上で、「現在よく使う言語」および「今後使ってみたい言語」を聞いたところ、現在/今後とも“Java”という声が抜きん出ていた。CPUやOSから独立したプラットフォームという共通点から、XMLとJavaの親和性を聞く機会が多いが、それを実証するような結果となった。
もうひとつの注目点は、およそ4人に1人が、XMLシステム開発にマイクロソフトの“C#”を使ってみたい、と答えていることだ。まだ正式リリース前にこれだけの支持を得るということは、C#の生産性とCLRによる多言語実行環境への期待の大きさを物語っているようにも思える。近い将来の“J2EE vs. Microsoft .NET”といったアーキテクチャ覇権戦争があるとすれば、そのカギは、XML開発者が握っているのかもしれない。
図3 XMLアプリケーションの開発言語(複数回答) |
参考リンク)XML4JとJavaを使ったXMLシステム開発の解説書籍
○調査概要- 調査方法:「XML eXpert eXchangeフォーラム」からリンクしたWebアンケート
- 調査期間:2000年10月25日〜11月10日
- 有効回答数:113件
「XML eXpert eXchange読者調査」 |
- QAフレームワーク:仕様ガイドラインが勧告に昇格 (2005/10/21)
データベースの急速なXML対応に後押しされてか、9月に入って「XQuery」や「XPath」に関係したドラフトが一気に11本も更新された - XML勧告を記述するXMLspecとは何か (2005/10/12)
「XML 1.0勧告」はXMLspec DTDで記述され、XSLTによって生成されている。これはXMLが本当に役立っている具体的な証である - 文字符号化方式にまつわるジレンマ (2005/9/13)
文字符号化方式(UTF-8、シフトJISなど)を自動検出するには、ニワトリと卵の関係にあるジレンマを解消する仕組みが必要となる - XMLキー管理仕様(XKMS 2.0)が勧告に昇格 (2005/8/16)
セキュリティ関連のXML仕様に進展あり。また、日本発の新しいXMLソフトウェアアーキテクチャ「xfy technology」の詳細も紹介する
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