POP (Post Office Protocol)
【ポップ】
別名
・POPプロトコル (Post Office Protocol protocol) 【ポップ・プロトコル】
・POP2 (Post Office Protocol version 2) 【ポップ・ツー】
・POP3 (Post Office Protocol version 3) 【ポップ・スリー】
メールサーバ(POPサーバ)に到着し、保存されているメールメッセージをクライアントから取得するためのプロトコル。プロトコルのバージョン番号を付けて、POP2、POP3などと呼ばれることもある。POP2(POP Ver. 2)はRFC973で、POP3(POP Ver. 3)はRFC1939でそれぞれ定義されている。
パソコンで利用される電子メールソフトウェアのほとんどは、このPOPプロトコルによってメールサーバからメッセージを取得するようになっている。企業内LAN上のパソコンなら、そのLANに用意されたPOPサーバに、インターネットプロバイダにダイヤルアップ接続しているパソコンなら、通常はそのインターネットプロバイダの内部に用意されたPOPサーバに接続し、着信しているメッセージを受け取る。
POPは、テキストを使ったプロトコルで、クライアント側からコマンド行を送り、その応答を受け取るという形式で、ユーザー認証や、メッセージの取得を実行する。POPクライアントとPOPサーバとのやり取りはおおよそ次のようになる。なおTCP/IPの通信ポートとしては、通常はTCPの110番が使用される。
1.POPクライアントからPOPサーバに接続する
2.クライアントが「USER」コマンドを送り、セッション開始を宣言する
3.「PASS」コマンドでパスワードを送信する
4.サーバ側で送られたユーザー名とパスワードを確認する
5.認証に成功したら、「LIST」コマンドで到着しているメッセージを一覧する
6.「RETR」コマンドでメールを受信する
7.「DELE」コマンドで受信メールをサーバから削除する
8.「QUIT」コマンドでセッションを終了する
ただし、電子メールソフトウェアの設定によって、LISTコマンドで一覧したメッセージのうち、選択したものだけをRETRコマンドで取り出す、DELEコマンドによるメッセージの削除を行わない(サーバにメッセージを残しておく)なども可能である。
POP対応の電子メールソフトウェアは、基本的にすべてのメッセージをローカル側にダウンロードし、特別な理由がないかぎりサーバには残さないという前提で設計されている。この方式では、たとえネットワークが切断された状態でも、すでに受け取ったメッセージを読むことができるという利点がある。これに対し、基本的にすべてのメッセージをサーバ側で管理し、ローカルにはダウンロードしない方式(IMAP)もある。この方式では、ネットワークが接続されていなければ、メールを読めないという欠点があるのものの、逆にネットワークさえ接続されていれば、どのような環境からでもメールを読み書きできるという利点もある。
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