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MAN (Metropolitan Area Network)

【マン】

最終更新日: 2003/06/17

 多数のクライアント・コンピュータを含むLAN同士を接続した巨大ネットワーク。大学のキャンパスや大企業、大病院などが、施設やビル、フロアごとに構成している複数のLAN同士を接続し、相互通信を可能にする大規模ネットワーク・システム。1事業所だけでなく、ある都市や地域に展開している複数の事業所や組織間を接続して、より大規模なネットワークを構築するために使われる。「Metropolitan」は「大都市の」という意味で、国内では「都市型ネットワーク」などと呼ばれることもある。

 LANやインターネットが普及し、多くのコンピュータがネットワーク接続されるようになった。しかし複数のLANとLANを巨大ネットワークで結び、それらを機能的に運用するためには、中小規模のLANとは違ったネットワーク設計やトラフィック管理、セキュリティ管理などが必要とされる。この点従来は、技術的にも、コスト的にもこうした大規模ネットワークを構築するのは困難であった。

 しかしコンピュータ・ネットワークのさらなる普及により、光ファイバ網などが整備されたこと、大規模ネットワーク向けの高性能・高機能なネットワーク機器(スイッチやルータ)が比較的低価格で利用できるようになったこと、大規模なトラフィックを効率的に管理・運用するネットワーク技術などが開発されたことなどから、広域エリアにある複数のLAN同士を高速ネットワークで結び、新しい情報環境を構築しようとする動きが活発化している。これがMANである。

 例えば米Microsoftは、米国ワシントン州シアトルにある本社キャンパス全体をカバーするマルチキャスト対応の高速ネットワークを構築し、社内の各クライアントPCから、ストリーミング・コンテンツを利用したビデオ会議やオンライン・トレーンニングなどを実用的に利用できるようにした。このほかにも米国では、患者のレントゲン写真のイメージや他のカルテの情報をデータベース化し、MANを構築して、異なる複数の施設からこれらにアクセスできるようにした例などがある。

 2001年6月、米Intel、米Cisco Systems、米HPなど、米国のネットワーク・サービス・プロバイダ、地域通信事業者、通信機器ベンダなどが集まり、MANを構築するためのネットワーク技術の1つである都市型光Ethernetの普及促進に向けた業界団体を設立した。

 NTT東日本は、2001年3月より、東京の一部の地域(千代田区、中央区など)において、光ファイバ網を利用して、高速のイーサネットMANを実現するLAN型通信サービス「メトロイーサ」の提供を開始した。

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