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イーサネット (Ethernet)

別名
Ethernet 【イーサネット】

最終更新日: 2005/10/12

 米Xerox社のPalo Alto Research Center(PARC)のコンピュータサイエンス研究所のロバート・メトカフ博士(Robert M. Metcalfe)によって1973年5月に発明されたネットワークシステム。Ethernetという呼称は、19世紀に、電磁波や光を伝播させる仮想的な物質と考えられていた「Ether(エーテル)」と「Network(ネットワーク)」を合成して作られた。

 メトカフ博士は、世界で最初のコンピュータネットワークとして知られるDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)の構築に参加しており、また通信にUHF帯の電波を利用するハワイ大学のALOHA NET(アロハネット)にも参加していた。このアロハネットでは、同一周波数の電波で複数のノードが非同期に通信できるようにするため、通信の衝突を検出し、再送信できるようにする方式が採用された。この方式はCSMA(Carrier Sense Multiple Access)と呼ばれる。このアロハネットでの経験を活かして、UHF電波の代わりに、同軸ケーブルを使用して高速通信を行うネットワークインターフェイスとして開発されたのがイーサネットである。イーサネットでの通信方式は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)と呼ばれている。

 発明された当初の伝送速度は2.94Mbpsであったが、光ファイバを利用して150Mbpsでの高速通信を行うものなど、研究レベルではさまざまなイーサネットネットワークが実験された。その後、DEC社とIntel社、Xerox社が共同で、最も経済的な伝送速度として10Mbpsを導き出し、これをDIX(Dec、Intel、Xeroxの頭文字をとってこう呼ばれる)規格として1979年に策定、これを翌1980年に開催されたIEEE 802委員会に「Ethernet 1.0規格」として提出した。

 現在広く普及することに成功したイーサネットは、その後の1982年に提案された「Ethernet 2.0」の規格が基になったもので、これはIEEE 802.3 CSMA/CDとして1983年に標準仕様が決定された。その後、伝送速度を10Mbpsから100Mbps、1000Mbpsなどに高速化したものや、ツイストペアケーブルや光ファイバなどを伝送媒体に使用した規格などが作られ、発展を続けている。

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