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コリジョン (collision)

最終更新日: 2002/05/15

 「collision」は「衝突」の意味。ネットワーク上にある2つのステーションが、共有するネットワーク媒体を使って同時にデータ転送を実行しようとしたときに起こる衝突のこと。コリジョンが多発するとネットワークの利用効率が下がるが、逆にこれを適切に使うことにより、複雑な排他制御のためのプロトコルを使わなくても、多数のステーション間で簡単に送信権の調停を行うことができる。

 イーサネットなど、1つのネットワーク媒体(通信路)を複数のステーションで共有するネットワーク・システムでは、各ステーションはデータ転送を開始する前に、ネットワーク媒体上で別のステーションによるデータ転送が行われていないかどうかを検査し(アイドル状態かどうかを検査し)、信号が流れていなければ自身のデータ転送を開始しようとする。しかしアイドルであることを判断してから実際に送信が行われるまでには若干の遅延時間があるので、場合によっては複数のステーションが同時にデータ転送を開始してしまうことがある。するとネットワーク媒体上で複数ステーションによるデータ転送が衝突して、正しい転送は行えない。また銅線を伝わる信号の速度は有限なので、離れた場所にあるステーション同士が、同時にアイドルであると判断して送信を開始しても、信号は銅線上のどこかで必ず衝突することになる。この際に発生するネットワーク媒体上での信号の衝突を「コリジョン」と呼ぶ。

 ステーションはデータ転送の開始後もネットワーク媒体上を監視しており、コリジョンを検出したときには、一定時間待った後、再度データ転送を開始する。

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