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仮想マシン (virtual machine)

【カソウ・マシン】

別名
バーチャル・マシン
VM (Virtual Machine) 【ブイ・エム】

最終更新日: 2005/02/23

 ある特定のマシン・アーキテクチャやハードウェア・プラットフォームをエミュレーションする環境、もしくはそれによって実現された仮想的なマシン環境のこと。ハードウェアを仮想的に実現しているので、仮想マシン(virtual machine、略してVM)と呼ばれる。実在するマシンだけでなく、仮想的なマシン・アーキテクチャをエミュレーションすることも含む。エミュレーションの実現方法としては、ソフトウェアだけで行う場合もあるし、性能を上げるためにハードウェアを併用する場合もある。

 VMではハードウェアそのものをエミュレーションするので、実際にそのハードウェア上で使用されるプログラムやオペレーティング・システムをそのまま動かすことができる。また、(一般的には)VMはソフトウェアで実現されるので、異なるプラットフォーム上で動作するように移植するのは簡単であるし、実際のハードウェアと違ってソフトウェアで実現されているので、ブレークポイントやステップ実行などを使えば、VM上で動作するプログラムのデバッグ作業も容易になるし、(仮想的な)ハードウェア構成の変更も簡単である。さらに、VMをマルチタスクOS上で動作させれば、同時に動作する複数の仮想マシン環境を実現することができる。

 VMはソフトウェアで実現されているので、通常は何らかのOS上で動作させることになるが、このとき、VMそのものの実行に使われるOSのことを「ホストOS」、VMの上で実行されているOSのことを「ゲストOS」という。たとえばUnix上でPC/ATマシン環境を実現するVMを稼動させてWindows XPを実行している場合、ホストOSはUnixで、ゲストOSはWindows XPということになる。

 VMを実装した著名な製品としては、VMWare社の「VMWare」、Connectix社の「Virtual PC」がある。このうちConnectixのVirtual PCは、2003年2月に米Microsoftによって買収された。買収の最大の目的は、旧式のOSや旧式OSに依存したアプリケーション資産を捨てることなく、ユーザーが新しいOS環境に移行できるようにすることだとされる。2003年12月、Microsoftは買収したVirtual PCに若干の改良を加え、「Virtual PC 2004」としてVM製品の自社ラインアップでの発売を開始した。

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