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ROM (Read Only Memory)

【ロム】

最終更新日: 2002/01/24

 読み出しのみが可能で、書き込むことができない半導体メモリデバイスのこと(CD-ROMのように、半導体ではなくても、書き込みができないデバイスに対してもROMという言葉が用いられることもある)。RAMとは異なり、電源を切っても内容が消えないので、コンピュータを使った各種電子機器のプログラムを格納するのに使ったり、システムが最初に起動するために使うBIOSやブートコードを格納するために使ったりする。

 ROMとは、本来は、データを読み出すのみでまったく書き込むことができないデバイスのことであり、当初開発されたROMでは、データはあらかじめ設計時にICのマスクパターンとして作り込まれていた(このタイプのROMはマスクROMと呼ばれる)。しかし、これでは内容をほんの少しだけ変更することは不可能で、新しいROMを作る場合はICの設計段階からやり直しになるので、納期も長くなる。そこで、ROMを使う顧客側で書き込めるようにしたPROM(Programmable ROM)が開発された。PROMには、一度だけしか書き込めないワンタイムタイプと、何度でも消去して繰り返し書き込める消去可能タイプの2種類がある。ワンタイムタイプのPROMでは、内部に用意されたヒューズなどを電気的に飛ばす(焼き切る)ことでデータをプログラムする。ただし、その構造上大容量化には向かず、現在ではあまり使われていない。

 消去可能タイプのROM(Erasable PROM:EPROM)は、データの読み出しや書き込み、消去などの方法や内部構造によって、UV-EPROMやEEPROM、フラッシュメモリなどの分類がある。

 UV-EPROMは、ROMイレーサ(紫外線ランプの付いた装置)にセットしてデータを消去するタイプのEPROMである。EPROMチップの上面に設けられたガラス窓に紫外線(Ultra Violet:UV)を当てると、ROM内のデータがすべてクリアされる。データの書き込みはROMライタ(もしくはROMプログラマ)と呼ばれる装置を使って、1byteずつ電気的に行うのが一般的である。

 EEPROM(Electrically Erasable PROM)は、電気的にデータを消去できるようにしたPROMである。特別な装置もいらず、回路基板上にPROMチップをセットしたまま消去や再書き込みができるので、現在の主流となっている。

 フラッシュメモリは、1bitあたり1トランジスタですむように工夫した大容量向きのEEPROMの一種である(通常のEEPROMでは1bitあたり2トランジスタ必要)。ただし、通常のEEPROMでは1byte単位で消去、再書き込みができるのに対し、フラッシュメモリではデータの消去はブロックと呼ばれる単位ごとにしか行えないので(1ブロックのサイズは512bytesや8Kbytes、64Kbytesなどが多い)、使い方に少し工夫が必要である。

 ROMは、データを読み出すだけであるが、一般的にRAMよりもアクセス速度は遅い(ただしリフレッシュ動作などは不要)。これは、速度を上げるよりも、コストを下げたり消費電力を抑えたりするという目的のために遅くなっているからである。

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