マスクROM (masked ROM)
【マスク・ロム】
最終更新日: 2002/01/24
あらかじめデータはICの回路パターンとして作り込まれているROMのこと。ICを作成するために、マスクと呼ばれる露光用のパターンが使われるため、こう呼ばれる。
マスクROMでは、データをあらかじめ回路として作成しておくので、PROMとは異なり、すぐに読み出しができるし(ユーザー側での書き込み行程が不要)、書き込み回路などが不要な分、コストも安価になる。このためマスクROMは、家庭用ゲーム機のプログラムカセットや大量生産される家電製品など、一般に広く使われている。しかし、(バグ対策などのために)データの内容を変えたくても、IC回路を最初から作り直さなければならない(古いマスクROMは廃棄するしかない)、IC製造のためのマスクなどの初期投資や(数週間以上の)製造期間も必要だという特徴から、あらかじめ需要が大量に見込める用途に向いている。多品種少量生産品や、製品立ち上げ時でバグの修正が頻繁に必要な場合、納期が非常に短い場合などではPROMを使い、その後マスクROMに移行するというのが一般的である。また漢字フォントROMなど、データの内容がほとんど変わることのないような用途にも向いている。
Copyright (C) 2000-2007 Digital Advantage Corp.