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EPROM (Erasable Programmable Read Only Memory)

【イー・ピー・ロム】

最終更新日: 1999/05/24

 不揮発性半導体メモリの一種。内容を消去して、何度でも再書き込みができるタイプのPROMである。プログラムのバグを修正したり、機能を追加したりする場合には、EPROMの内容を消去して新しく書き込むだけで、システムを最新の状態にすることができる。マスクROMやワンタイムタイプのPROMと違って、コストをかけずに機能アップやデバッグができる。EPROMはその内部構造によって、UV-EPROMやEEPROM、フラッシュメモリなどに分類されている。通常は、10万回程度の消去、書き込みのサイクルが保証されている。

 UV-EPROM(単にEPROMといえば、このUV-EPROMのことを指すことが多い)は、紫外線(Ultra Violet:UV)を当ててデータを消去するタイプのEPROMである。EPROMチップの上面にはガラス窓が設けられており、ここからICパッケージ内のチップが見えるようになっている。EPROMチップをROMイレーサ(紫外線ランプの付いた装置)にセットして紫外線を照射すると、この窓から紫外線がICチップ上のメモリセルに当たり、データを記憶している電荷が放電される。不用意にデータが消えてしまわないように、消去時以外は紫外線を遮蔽するシールを貼っておく必要がある。データの書き込みはROMライタ(もしくはROMプログラマ)と呼ばれる装置を使って、1byteずつ電気的に行うのが一般的である。

 UV-EPROMには、コストダウンのために消去用の窓を取り付けていないものもある。データ書き込みなどはUV-EPROMとまったく同じ方法で行えるが、消去ができないので、ワンタイムタイムのPROMとして使われる。マスクROMを起こすほど規模が大きくないような、多品種少量生産品に向いている。

 EEPROMは、紫外線の代わりに電気的に消去できるようにしたROMである。特別な消去装置が不要であり、システムに組み込んだまま消去、再書き込みができるので、現在広く普及している。システムのBIOSやブートストラップコードを格納するだけではなく、ユーザーの環境ごとに異なるような設定項目(システムのコンフィギュレーション情報など)のデータを格納するためにも使われることがある。

 フラッシュメモリは、EEPROMの一種であるが、上記のEEPROMよりも大容量化に向いているメモリである。EEPROMが1bitあたり2トランジスタ必要なのに対し、回路を工夫して1bitあたり1トランジスタですむようにしたり、ブロック単位でしか消去できないようにしたりして、大容量化を図っている。デジタルスチルカメラや携帯電話、モバイル機器などのほか、非常に広く使われている。

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