連載
インドオフショアの裏話(2)


インドオフショアではどの契約形態がお得?

向井 永浩
ソフトブリッジソリューションズジャパン

2008/12/15

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本連載では、現役のインドオフショア開発コンサルタントである筆者が、インドオフショア開発事情や勘所などを紹介する。今回は、その中でも契約形態について説明する(→記事要約<Page 3>へ)

 日本の商習慣とはさまざまな点で異なっているインドでのオフショア開発。プロジェクトを円滑に進めるためには、当然どのような契約形態にするかは非常に重要な要素となります。今回は契約形態について掲載します。

インドオフショア開発における一般的な契約形態

 インドオフショア開発においても、国内開発と同様で、基本的には「開発請負契約型」「開発委任契約型」「混同契約型」の3形態に大きく分類できます。

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 インドオフショアでは、開発請負契約型契約は「Fixed price contracts」と表現し、開発委任契約型は「Time and material contracts」と表現する場合が多いです。最近、中国/ベトナムなどのオフショア開発では“ラボ契約”という言葉も耳にしますが、ラボ開発は、インドでは基本的に開発委任契約型の分類に入ります。

 開発請負契約型とは、システム開発の成果に対して責任を負う契約となります。インドオフショア開発でも国内開発と同様に事前に納期、費用、成果物などを決定した後、プロジェクトを進めることになります。

 開発委任契約型は、合意したスキルレベルの技術者を人月で提供し、システム開発の成果に対して責任を負わない契約です。インドオフショア開発における開発委任契約型とは、具体的にはある一定期間で発注する仕事量(人月)の最低保証を行い、インド側に専任技術者を一定期間確保します。これによりインド側に優秀な人材を安定的に確保し、ノウハウの蓄積を目指します。

インドの電器店の様子。サムソンの液晶テレビが人気だ 外資系ファストフードも進出が進んでいる。マクドナルドは、ヒンズー教徒が牛肉を食べないことを考慮し、基本的にチキンで売り出している

 混同契約型とは開発請負契約型と開発委任契約型の併用型です。

 また日本側がブリッジ技術者と派遣契約をして、インド人技術者を受け入れる場合もあります。

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インドオフショアではどの契約形態がお得?
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インドオフショア開発における一般的な契約形態
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インドオフショア開発における契約形態における長所/短所
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インド人エンジニアの日常

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