米クアルコム、IDO、日立が共同で
日本でのHDRフィールドテストの開始を表明

2000/5/25

 米クアルコムは5月24日(現地時間)、日本移動通信(IDO)、日立製作所の2社と共同で、日本でのHDR(High Data Rate)のフィールド実験を2000年中にも開始すると発表した。

 HDRとは、次世代携帯規格のW-CDMAやcdma2000で中核をなすCDMA技術で数々の特許を持つ米クアルコムが開発した携帯電話を使用した高速データ通信規格で、1.25MHzの帯域で最大2.4Mbpsでのデータ通信を可能にする。これは、5MHzの帯域を使用して最大2Mbpsの通信速度を実現しているIMT-2000を上回り、「IPベースのデータ通信に特化する」ことで通信速度の引き上げが可能になったとクアルコムでは説明している。1.25MHzの帯域を使用して通信を行っているcdmaOne(IS-95)はもちろんのこと、1.25MHzの帯域を3本束ねて通信を行うcdma2000とも互換性があるうえ、現行のデジタル携帯電話の電波上でもHDRによる通信が可能だという。

 日本では来年4月に開始予定のIMT-2000だが、動画配信など高速データ通信分野での活躍が期待されている。ただ当面の課題として、インフラ整備に時間がかかることと、コスト面での問題があることから、次期インフラとしての活躍はもうしばらく先になることが予想される。その点でHDRが早期に登場するとなれば、ユーザーが高速データ通信手段を得られる反面、IMT-2000の普及にも影響を与える可能性が高い。

[参考リンク]
米クアルコム発表のプレスリリース
「IDOがHDRのフィールドテストを申請」のプレスリリース
「日立製作所と米クアルコムが提携」のプレスリリース

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