電子政府に向け、諸外国の暗号製品規制調査を公開
2000年6月3日
日本政府は2003年までに行政の効率化や国民負担の軽減を目標とした、行政手続きを電子化する「電子政府」の基盤を構築することを目指 している。しかしそれには、プライバシー情報の保護などのために強力なセキュリティ機能が必要だ。特に行政が管理する情報は、税金など生活に直接影響する情報が含まれている重要度の高いものである。
政府関係機関の情報処理振興事業協会が6月1日に公開した「暗号技術に係る政策動向調査」は、こうした電子政府構築の一環として、「安全な情報化社会の実現をめざすとともに、わが国の暗号関連技術の振興に寄与することを目的とする」(「調査の背景と目的」より)。
内容は、米国、カナダ、フランス、イギリス、ドイツの5カ国が暗号技術製品に対してどのような輸出規制や使用規制を行っているのか、また、その規制はどのようなものかの調査が中心。誰でもダウンロードし、読むことができる。
報告によると、暗号技術製品に対する輸出の際に技術審査が必要といった輸出規制は、現在でも前述のすべての国で存在するものの、1999年以後は条件が大きく緩和されている。これは各国とも規制緩和の世界的な傾向を重視しているとともに、産業界からの強い要望に応えたため。しかし産業界はさらなる規制緩和を求めており、それによって登場する強力な暗号技術製品の利用を望んでいる。強力な暗号技術製品によって実現されるであろう安全なインターネット環境が、産業界を活性化すると考えられているからだ。
電子政府を実現できる安全性を備えた基盤構築に、より強力な暗号化技術製品が必要だとすれば、規制緩和こそがそうした製品の登場を促進すると言えるだろう。
欧米の暗号関連施策の状況(報告書より)項目 | アメリカ | カナダ | ドイツ | フランス | イギリス | |
暗号関連政策の動向 | 暗号輸出規制緩和 (2000年1月) |
暗号政策発表 (1998年10月) |
暗号政策発表 (1999年6月) |
暗号政策変更 (1999年1月) |
電気通信法案/電子商取引の促進 (1999年7月) |
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輸入審査期間 | 輸出 | あり | あり | あり | あり | あり |
輸入 | なし | なし | なし | なし | なし | |
仕様 | なし | なし | なし | あり | なし | |
技術審査 | 商務省 輸出管理局 | 外務・国際防衛気象 輸出管理課 | 連邦輸出局 | 中央情報システム安全部 | 防衛産業省 輸出管理局 | |
暗号標準化の取り組み | FIPS46-2,3 AES ISO/IEC JTC1 SC27 |
ISO/IEC JTC1 SC27 |
NESSIE ISO/IEC JTC1 SC27 |
NESSIE ISO/IEC JTC1 SC27 |
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情報処理振興事業協会セキュリティセンター
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