ハンドスプリングがPalmOS搭載の互換機
「Visor(バイザー)」を発売

2000/6/15

 米ハンドスプリングは今年2月に日本法人を設立、6月16日よりPalmOSを搭載したPDA「Visor(バイザー)」の販売を開始すると発表した。

 米国のPDA市場で「PalmOS」は過半数を超えるシェアをほこる製品。米ハンドスプリングは、3Comをスピンアウトした「Palm」開発の主要メンバー(旧Palm Computingの設立者)によって設立され、PalmOSを搭載した互換機「Visor」の販売を行っている。今回発表されたのは、日本語へのローカライズが行われた「日本語版Visor」である。このVisorの最大の特徴は、「Springboard(スプリングボード)」と呼ばれる拡張スロットを背面に搭載していることで、Springboardに機器を抜き差しすることで簡単に機能を拡張することができる。発表会場では、無線通信モジュール(Bluetoothモジュールは今年夏に提供予定)、デジタルカメラ、バーコードリーダー、バックアップユニット、GPS、MP3プレーヤといった拡張モジュールの数々が展示されており、発表会に訪れた人々の注目を集めていた。

 同社では、日本市場向けに、Visorシリーズの中でも8MBのメモリを搭載したVisor Deluxeが全部で5色(アイス、ブルー、グリーン、オレンジ、グラファイト)を投入する。製品には革ケース、USBクレードル、HotSync(PCとのリンクソフト)、Palm Desktop(PC側の情報管理ソフト)が同梱されている。また、リンクソフトはWindows用とMacintosh用の2種類が同梱されるため、どちらのOSのユーザーも新たにリンクキットを買い足す必要はない。Visorは、6月16日より店頭で購入可能になるほか、6月30日より同社のWebサイト(http://www.handspring.co.jp/)上での購入も可能になる。価格は2万9800円。

 現在、日本国内のPDA市場は、シャープのザウルスシリーズ、Palm、マイクロソフトのWindows CEの競合製品がひしめき合う3つ巴状態となっており、Palm一人勝ち状態の米国とは異なった市場を形成している。その中で、PalmOSを搭載した製品として、すでにIBMより投入されている「WorkPad」、今回のVisor、そしてソニーからもPalmOS搭載の新機種の登場が噂されている。これまで、日本語化の壁もあり、海外製品のPalmは一部のマニア向けだという傾向が強く、一般ユーザーに広くアピールする製品ではなかったともいえる。同社では、「拡張性、独自のアプリケーション、デザインで大々的にアピールしていく」ことを表明しており、今後、それぞれ創意工夫を凝らしたPalm互換機が続々登場することで、日本での盛り上がりが期待される。

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