ターボリナックス、並行処理クラスタenFusionを発売
2000/6/21
複数のコンピュータを同時に稼働させて処理を分散し、全体としてスーパーコンピュータに匹敵する処理能力を得る。6月20日にターボリナックスが発表した「enFusion 6.0」は、Linuxをプラットフォームとしてこのようなクラスタシステムを実現する製品だ。
分散処理には、その処理内容に応じて複数の方式が存在するが、enFusionでは演算方法が同一でパラメータが複数あるような処理を、分散して並行処理させる分野に向いている。例えば、CGアニメーションで各コマごとに異なるオブジェクトの位置や方向、光源の向きを、それぞれ別々のマシンで同時に計算する、といった処理がこれにあたる。複数マシンで同時に異なるコマを計算できるため、短時間に大量のコマ数分の計算を行える。同製品の適応分野としては、こうしたアニメーションレンダリングのほかに、複数の条件でシミュレーションしたなかから最適解を探すような、航空・宇宙分野での構造解析、流体解析や、遺伝子解析、金融関係のリスクマネジメントなどがある。
enFusionはターボリナックスが開発した製品だが、Linux以外にも、Solaris、Windows NT 4.0、HP-UXなどにも対応する。複数のプラットフォームが混在した環境でも稼働可能で、数百ノードまでの規模までの拡張性を持つ。複数のマシンのパフォーマンスを判断してジョブをアサインするたロードバランシングや、クラッシュしたマシンに対するリカバリーを行うフェイルオーバー機能を備えるため、非常に効率よく並行処理を行うことができる。
ターボリナックスは、このenFusionの販売のために、ソフテックと業務提携を行った。ソフテックはクラスタやスーパーコンピュータなど、ハイパフォーマンスコンピューティング専門のコンサルティング会社。enFusionは同社を通じて販売される。
enFusionの出荷開始は6月30日から。価格は5ノード版35万円からとなっている。
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