インテルがモバイル向け新プロセッサと
グラフィック統合型チップセットの最新版を発表

2000/6/21

 インテルは6月20日、ノートPC向けの新型プロセッサ5製品とグラフィック統合型チップセットの最新版を発表した(下記の表を参照)。

 今回発表されたノートPC向けプロセッサは、シリーズ最高速となる「モバイルPentiumIII-750MHz」「モバイルCeleron-650MHz(600MHz)」、そして従来モデルより低電圧で動作可能な「低電圧版 モバイルPentiumIII-600MHz」「低電圧版 モバイルCeleron-500MHz」の5製品。この中でもモバイルPentiumIIIモデルは両製品ともSpeedStepテクノロジを搭載しており、少ない消費電力(つまりバッテリの寿命を延ばしつつ)でも高いパフォーマンスを得ることが可能である。さらに、低電圧版のモバイルPentiumIII-600MHzは、バッテリモード時(動作クロックは500MHz)で1kW以下の消費電力を実現している。

 インテルは今回のモバイルノートPC向け最新プロセッサの発表で、高速プロセッサと低消費電力プロセッサの両方の分野をカバーしており、競合他社に一歩リードした形だ。デスクトップ分野ではAMDの猛追を受けているインテルだが、ノートPC向けプロセッサでは高速、低消費電力ともにインテルの独壇場となっている。低消費電力プロセッサとして話題のCrusoeの登場で、低消費電力分野での競合が予想されるが、当面はインテルプロセッサが主役になるものと思われる。

●ノートPC向けプロセッサ
製品名 価格(千個受注時)
SpeedStepテクノロジ対応
モバイルPentiumIII-750MHz
6万1840円
SpeedStepテクノロジ対応
低電圧版 モバイルPentiumIII-600MHz
3万4770円
モバイルCeleron-650MHz 1万9920円
モバイルCeleron-600MHz 1万4740円
低電圧版 モバイルCeleron-500MHz 1万4740円


 また今回、同日に発表された新型チップセット「Intel 815」「Intel 815E」は、グラフィック統合型チップセット「Intel 810」の後継にあたる製品。これら2製品の最大の特徴は、グラフィックコントローラを内蔵しながらも、外付けでAGP4xのグラフィックカードが増設可能なことである。また、FSB-133MHzに正式対応することで、PC133 SDRAMをサポート可能になった。今回の新型チップセットの登場により、ようやくインテル製チップセットでAGP4xとPC133 SDRAMの両方をサポートすることが可能になった。

 Intel 815EのIntel 815Eとの違いは、やはり先日発表されたIntel 820E同様に、新型のI/Oコントローラハブ(ICH2)を採用していることである。ICH2は標準で、USB(×2)、LAN、Ultra ATA/100、6チャンネルオーディオといったコントローラを内蔵しており、低価格で各種最新機能を利用できるのが特徴だ。

 DRDRAMのみをサポートするIntel 820シリーズのハイエンド環境と、Intel 810に代表されるローレンジ環境の間を埋める、ミッドレンジ向けの製品が登場したといえるだろう。

●グラフィック統合型チップセット
製品名 価格(千個受注時)
Intel 815チップセット 4510円
Intel 815Eチップセット 5060円


関連リンク]
インテル発表のプレスリリース(ノートPC向けプロセッサ)
インテル発表のプレスリリース(グラフィック統合型チップセット)

(お詫びと訂正)
修正前の原稿中で「Intel 820+MTHがPC133 SDRAMをサポートしていた」旨の記述がありましたが、「Intel 820+MTH」の組み合わせでサポートするのは「PC100 SDRAM」のみで、「Intel 815」「Intel 815E」は「PC133 SDRAM」をサポートするインテル初の製品です。関係者の方々にご迷惑おかけしましたことをお詫び申し上げます。

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