インフォミックスがJavaベースのORDBを発表
Psionと提携し、小型デバイスに対応
2000/6/23
インフォミックスは6月22日、100% Pure Javaで開発された小型デバイスへの埋め込み用データベース、「Informix Cloudscape3.5 日本語版」を発表した。SQLに対応しているほか、ORDBとしてJavaのオブジェクトも格納できる。8月中旬から出荷開始。
Cloudscapeは、Java2、Java2 Enterprise Editionに対応したJava VM上で稼働し、サイズは約2MB。Javaで記述されているため、特定のハードウェアやOSに関係なく稼働させることができ、またインストールも容易。同社はCloudscapeを、携帯端末やPDA、Webアプライアンス上などで利用できるデバイス埋め込み用のORDBと位置づけている。
Cloudscapeは、リレーショナルデータベース以外にJavaのJARファイルや、Javaクラスなどをそのままデータベースに格納可能。SQL92に準拠するため一般的なSQL命令はすべて実行できる。アプリケーションからは、CloudconnectorモジュールによりJDBC、HTTP、HTTPSによる接続が可能。また、Cloudsyncモジュールを利用することで、非同期に中央のデータベースとデータの同期を取ることができる。
同社はサイオンと提携し、Psionの全製品でCloudscapeを実行できるようにする。
小型デバイス向けのDBMSは、すでにサイベースのAdaptive Server AnywhereやオラクルのOracle Liteなどが市場に存在しており、一部ではPalm対応やWindows CEなどの小型デバイスへの対応も行っている。しかし、そのためにはそれぞれのプラットフォームへの移植作業が必要となる。Cloudscapeの特徴はすべてJavaで記述されているため、いちいちこうしたデバイスへ移植する作業が不要な点だ。今後、携帯電話からPDAまで、多くのデバイスでJava MVをサポートすると言われており、その点でCloudscapeは後発の強みを持つと言えだろう。
しかし、一方でCloudscapeを活かすアプリケーションとなれば、これもJavaで記述することが望まれる。小型デバイス用の市場では業務アプリケーションなど垂直アプリケーションが特に重要な役割を果たすが、こうしたジャンルでJavaアプリケーションが主流になるにはもう少し時間がかかると予想される。そうした意味では、Cloudscapeが成功するにはまだしばらくの時間が必要だろう。
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