インターネット時代の組み込み市場に朗報?
― iReady Intenet TunerTMとは? ―

2000/6/27

 インターネットは、我々にコンピュータを使った新しいコミュニケーション手段と新しいサービスをもたらした。その波は今、組込み市場にも到来している。PDAや携帯電話といった携帯情報端末がインターネットに接続されるだけでなく、オフィス機器やゲームマシン、家電までもがインターネットに繋がろうとしている。

 普段我々が慣れ親しんだデバイスにインターネットを接続するためには、当然ながらデバイスがTCP/IPに対応しなければならない。しかし、それをソフトウェアで対応するにはハードウェア面での制約や速度面での障害があるし、ハードウェアで対応するにはそれなりのコスト増を覚悟しなければならないだろう。

 これらの問題を解決してくれるチップが、実はすでに存在している。米国のIReady社が開発した「iReady Internet TunerTM」がそうだ。これは、TCP/IPプロトコルスタックをハードウェアで実現するための技術で、どのようなチップデザインにも「ドロップイン」方式で容易に組み込むことができる、プリコンフィグレーションされたコアセットだ。

 iReady Intenet TunerTMを使えば、様々なチップに低コストでTCP/IPの機能を追加することができる。よって、あらゆる民生機器を容易にインターネットに接続させることができ、そこから新たな製品やサービスの提供が誕生する大きな可能性がある。

 この技術を実際に採用した製品に、セイコーインスツルメンツの「S7600A」がある。このチップは、TCP/IP ver.4、UDP、PPPの各プロトコル機能をワンチップICに集積したTCP/IPプロトコルスタックICであり、低消費電力で低クロック動作が特徴だ。携帯情報端末などでは長時間の電池寿命を実現し、高速なTCP/IPネットワーキング機能を提供する。

 TCP/IPプロトコルスタックICを使うと、民生機器にWebブラウザや電子メールなどのインターネット接続機能だけでなく、Webサーバ機能までも搭載できることになる。インターネット革命にふさわしい新しいソリューションが、ここから誕生する可能性がある。

(下村俊樹)

[関連URL]
米国iReady社
セイコーインスツルメンツ株式会社

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)