[データストレージEXPO]
SAN関連の展示が注目を集める
2000/7/13
ストレージ製品やソリューションを提供するメーカーが集まる展示会「第2回 データストレージEXPO」が、7月12日より東京ビッグサイトで開催された。同展示会は、「データウェアハウスEXPO」「ソフトウエア開発環境展」「組込みシステム開発技術展」と同時開催であり、同会場にて7月12日〜7月14日までの会期となっている。
会場では、近年注目を集めるSAN(Storage Area Network)関連の展示が多く、来場者の関心も高かったようだ。特に、ストレージ分野に強いメーカーである、日立、コンパック、IBM、サン・マイクロシステムズなどでは大きなブースを構え、SANに対応したストレージ製品の展示とソリューションのデモストレーションを盛んに行っていた。
SANは、それまでサーバに直接接続され、サーバごとに分散管理されていた複数のストレージ装置を、Fibre Channelなどの高速ネットワークによって集中的にまとめたもの。具体的には、従来のストレージがSCSIなどでサーバにぶら下がっていたのに対し、SANではストレージを独立したネットワークリソースととらえ、サーバ〜ストレージ間のインターフェイスを高速なFibre ChannelとFibre Channelスイッチで接続し、ストレージによる一種のネットワークを構成する。メリットとしては、ストレージが独立・集中することで管理が容易になること、異なるプラットホームが存在するネットワーク環境(メインフレーム、UNIX、PCサーバなど)でも一元的にストレージ上のデータにアクセスできること、柔軟な接続構成がとれること、SCSIなどのインターフェイスに比べて接続台数や速度の面での制約が少ないことなどがあげられる。
サンのブースでは、ストレージシステムの沿革を紹介、SAN導入のメリットをアピールしていた |
日立製作所のブースでは、先日発表されたばかりの「SANRISE」シリーズの新製品をメインに、ネットワークの構成例や実際の事例を紹介していた。やはり、一昨日「StorEdge」の新製品を発表したサンでは、SAN環境を管理するためのテクノロジー「Jiro」のロゴがあしらわれたブースで、SANによるソリューションのデモストレーションを大々的に行っていた。
ソフトウェアの分野では、同展示会の開催に合わせて、ベリタスソフトウェアがSAN環境の管理ツール「VERITAS SANPoint Control」発表の記者会見を、同日、別会場にて行った。SANPoint Controlを使うと、マルチベンダによるSAN環境において、ハードウェアに関係なくSAN上のデータを自在に扱えるようになる。また同社では、ファイルへの同時アクセス機能を提供することでパフォーマンスを向上させる「VERITAS SANPoint File System」「VERITAS SANPoint Direct」も発表した。
バックアップツールのARCserveを提供しているコンピュータ・アソシエイツのブースでは、昨日発表されたばかりの「ARCserve2000」のデモを行っていた。ARCserve2000では、Windows 2000に対応することでActive Directory関連のデータのバックアップも行えるようになったほか、SAN環境もサポートし、サーバレスでのバックアップを行う機能が付加されている。
HPブースに参考展示されていたLTO規格のドライブ |
バックアップといえば忘れてはいけないのが、データのバックアップ先であるテープストリーマの分野。大容量・高速なテープストリーマとしてDLTがあるが、DLTの40GB(非圧縮時)に対して80GB(非圧縮時)と、より大容量化された次世代DLT規格「SuperDLT」関連の展示が見られた。また、HPのブースでは対抗規格と目される「LTO」を採用した「HP Ultrium」が参考展示されていた。LTOは、非圧縮時で100GBの容量とDLTの倍以上の速度という特徴をもっている。登場時期については、年内〜来年にかけてだという。年々、バックアップ元となるディスク側のストレージ容量とそこに蓄積されるデータ量は増加しており、これら大容量テープストリーマの早期の登場が望まれる。
[関連リンク]
サンがストレージ管理技術「Jiro」をリリース(@IT
News)
ARCserve 2000の製品紹介ページ
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