ドメイン名の拡大を目論むICANN

2000/7/18
(07/14/00, 6:37 p.m ET) By Mary Mosquera, TechWeb News

 Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)が先週末に横浜で会合を開き、サイバーワールド関係者がドメイン名の接尾部の数を増やすことについて判断を下した。彼らはほかに、インターネットを管理する同組織の役員を選出する中選挙区選挙の最終準備も行っている。

 米商務省からインターネットのドメイン名や番号を決める権限を譲渡された国際団体のICANNは、非営利ユーザーの利益代表者である5人の役員会メンバーをインターネット利用者が選ぶ国際的な直接選挙を10月に設定している。

 新役員を投票できるICANNの中選挙区会員には、4万人以上のインターネットユーザーが応募している。今回の会合では、指名ルールと選挙の地域境界線の定義が話し合われた。

 同国際組織の大部分の参加者に対応すべく世界各国で開催されているこれまでの会合は、長時間にわたる無秩序で騒がしい討議に終始している。

 ICANN内部では、「.com」、「.org」、「.net」、および「.edu」で終わる既存のトップレベアドレスを補完すべく、新しい一般ドメイン名を限定的に導入することで意見が一致している。委員会は、16日にはこれらの名前の数を徐々に増やすことが承認されている。

 名前の数を増やすことでインターネットが拡張され、オンラインアドレスを販売もしくは再販する企業間の競争が激化し、価格が低下することになる。

 ICANNのドメイン名サポート顧問組織の非営利団体の委員は、「トップレベルの一般ドメイン(TLD)の数が限られていることで、非営利用、商用、そして個人用として利用するドメイン名が人為的に不足し、インターネットの堅牢性と活動を脅かす制限が生じている。インターネットコミュニティの地域、言語、文化、そして考え方によるニーズを満たす多様な登録を可能にするため、TLDを十分な数だけ用意するべきだ」と話している。

 たとえば、International Confederation of Trade Unions(13の労働組合組織をまとめる団体)では、「.union」で終わるアドレスの提案を検討している。

 労働組合団体が関心事をまとめたレポートによると、「.union」のドメイン名で登録する可能性のある団体の数は予測が難しいが、世界中には約10万の労働組合があるという。

 現在、インターネットにアクセスできる労働者の大半は富裕先進工業国の国民となっている。

 そのレポートには、「われわれは、財政的にあまり恵まれていない国からの登録者にはドメイン登録コストを大幅に引き下げて、情報格差を埋めて開発途上国の労働組合によるWebの利用拡大を促進する戦略を見越している」と書かれている。

 労働組合の大半は国レベルのドメイン名(英国を示す「.uk」など)や一般ドメインの「.org」で登録を行っている。

[英文記事]
ICANN Expected To Recommend More Domain Names

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