モバイル関連製品を欠くサイベースの新製品ラインナップ
2000/8/2
(07/28/00, 8:48 p.m ET) By Antone Gonsalves, TechWeb
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米サイベースは、来週開催予定の同社が主催するカンファレンス「TechWave 2000」において、いくつかの製品発表を計画しているが、そのラインナップではモバイルデータベースビジネスに関する新しいテクノロジーが欠けることになるだろう。
米サイベースの新しい子会社であるiAnywhere Solutionsから大きな発表がないことは、モバイル及びワイヤレスの両分野でより完成された製品ラインが必要だと考える一部の業界アナリストを失望させることになるかもしれない。TechWaveは、フロリダ州レイクブエナビスタにて、7月30日から8月3日まで開催される予定。
ライバルであるオラクルの成功により、RDBMSの分野では端役に甘んじることになったサイベースだが、社内データをモバイル端末に移行する技術によってカムバックを果たしている。
Giga Information Groupのアナリストらは、モバイルデータベース市場の60%以上を同社が占めているとみる。
だが、依然としてサイベースには、アプリケーション部品を携帯端末やサーバで分散して処理する、いわゆるSFA(Sales Force Automation)やモバイル受注処理といったアプリケーションで必要となるような技術が欠けている。
サイベースの既存のアーキテクチャは、すべてのアプリケーションをサーバもしくは端末上で処理させるのに最適となっている。同社は特に、社外で作業する人がノートPCやモバイル端末を使って社内データベースに接続する場合など、双方のデータを同期させるようなソフトウェアに強い。
同社の技術では、WML(Wireless Markup Language)で記述されたデータをシン・クライアントに移動させることもできる。
Giga Information Groupの業界アナリストCarl Zetie氏は、「同社が製品ラインナップを完成させるのを非常に楽しみに待っている。彼らは同期されたデータを扱うようなアプリケーションもできるし、すべてのロジックがサーバ上にあるような完全なシン・クライアントアプリケーションもできる。しかし、両者でロジックが分散されているようなモデルは実現できない」と言う。
サイベースには、「Enterprise Application Server 3.6」(企業ポータルの構築ソフト)でのJava 2 Enterprise Editionサポートを発表する計画がある。最新のJavaエンタープライズ環境をサポートすることは、企業ポータル開発者にとって朗報となるだろう。
同社はまた、データベースアプリケーション開発ツールの「PowerBuilder 8.0」のベータ版のリリースも予定している。クライアント/サーバモデルの時代には主役を務めた同ツールだが、今日のインターネットの時代においては端役に落ち着いてしまっている。
「開発ツールについて何も言うことはない。もう勝負は終わっている」(Zetie氏)
興味深い発表の可能性があるのは、サイベースのマーケティングスタッフが「通信事業者向けのe-businessサポートシステム」としているものだ。
同社広報のRick Myllenbeck氏は、「これは通信事業者分野において近日中に行われる数々の発表の始まり」だとする。
サイベースCEO(最高経営責任者)のJohn Chen氏が先日TechWebに語ったところによると、同社の今後の成長のために通信業界に照準を合わせたのだという。
同社はほかにも、「SeePower Casino Management System」を開発するCompudigm Internationalとの提携を発表する。
両社では、CompudigmがSeePowerにサイベースのデータウェアハウス製品「Adaptive Server IQ」を組み込むことも発表する予定だ。
サイベースのビジネスインテリジェンス事業部でゼネラルマネージャを務めるEric Miles氏によると、Compudigmでは、SeePowerの小売向けバージョンを今四半期の終わりに、そして通信業界向けバージョンを第4四半期にリリースする計画だという。
過去数四半期にわたって決算が上向いているため、サイベースがターゲットとする市場(企業ポータル、モバイル、金融や通信といった一部の垂直市場)に大きなチャンスがあると考える金融アナリストの間では、同社の見通しが明るくなってきたといえる。
パンク・ジーゲルの金融アナリストGary Abbott氏は、「これら3つの分野は、同社が今後成功するためのカギとなる」と話している。
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