[SYBASE TechWave 2000]
エンタープライズポータルに軸足を傾けるサイベース
2000/8/2
米Sybaseのユーザーカンファレンス「SYBASE TechWave 2000」が米国時間の7月31日からフロリダ州オーランドで開かれている。
初日、キーノートに立った同社会長兼CEOジョン・チェン氏は、この2年間でキャッシュバランスを2億4600万ドルから3億5300万ドルまで取り戻し、経営が完全に復調したことを訴えた。
企業スピリットとして彼は、“安定して継続しうる企業を構築すること” “ターゲット市場でトップ3以内に位置すること” “規模の大きい、成長性の高い分野で活躍すること”の3つをあげ、「成長も落ち込みも爆発的なドットコムカンパニー型ではなく、守備範囲を明確にして着実に前進を続ける、信頼性、安定性の高い企業を志向する」と解説した。
チェン氏はまた、重点戦略事業分野をエンタープライズポータル、モバイル＆ワイヤレス、eビジネス・バーティカル・ソリューションの3つを上げた。
中でもエンタープライズポータルは、サイベースがIT業界のメジャープレーヤーとして返り咲くべく最も力を注ぐ製品だ。名前はポータルだが、中身はEDIやEC、Web調達/購買を実現するためのフレームワークソリューション。米国では好調な立ち上がりを見せ、8月には米国政府のWeb購買サイト「GSA Advantage!」が本番稼動する。
日本では、モバイル&ワイヤレス分野がすでに61％のシェアを獲得したといわれるSybase SQL Anywhere Studioを中核に着実な発展を遂げ、バーティカル分野でも通信・金融業界に強さを見せているが、インターネット・ポータルは5月に1.0がリリースされたばかりで、まだその全容も理解されているとはいえない。
日本でのエンタープライズポータル・ビジネスの取り組みについて、チェン氏はインタビューでこう語った。
「まったく新規の分野であるゆえに、市場への浸透が一筋縄で行かないことは承知している。しかし、自社内でコンサルタントを育成する、日本にも拠点を持つ多国籍企業への導入を通じて実績をつもうと考えている。当社のビジネスパートナーと業務提携を図るなどの戦略を考えており、心配はしていない。データベースは日本でシェアを失ったかもしれないが、エンタープライズポータル市場を突破口に巻き返しは十分可能だ。」
（吉田育代）
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