IBMが既存の通信回線で2倍のデータを送受信する技術を発表

2000/9/12

 米IBMは現地時間の9月11日、ネットワークの通信帯域を制御することで高速通信を可能にする技術「BAT(Bandwidth Allocation Technology)」を発表した。同技術を利用することで、既存回線を使った通信でも、従来方式に比べ2倍近いデータ量がやりとり可能になるという。

 BATでは、同社のネットワークプロセッサ「PowerNP」に100行ほどのソフトウェアコードを組み込むことで、送信する情報に優先順位をつけられ、安定した高速通信ができるようになる。これまでは、安定した通信状態を維持するために、トラフィックの最大値を基準にネットワークが設計され、実際のキャパシティに比べむだが生じている場合が多かった。同社では、PowerNP+BATの組み合わせでトラフィックを制御することで、帯域を効率的に使おうという考えだ。

 ユーザーにとっては、ハードウェアによる拡張よりコスト的に安価なソフトウェアによる拡張でネットワークの帯域拡大が可能になるメリットがある。これは、同社が以前に発表したメモリ容量を倍にする技術と同じ考えだといえる。

 同社では、PowerNP「NP4GS3 ネットワーク・プロセッサー」にBATを組み込んだ製品を、2000年中にサンプル出荷する予定だという。また、9月25日からアトランタで開催される「Networld+Interlop」でも、同製品のデモストレーションを行う予定。

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米IBM発表の資料(英文)

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