[IDF 2000 Fall Japan] e-Solutionに活路を見いだすインテル

2000/9/20

インテルのソリューションに対する取り組みを語るウイリアム・A・スウォープ氏
 インテルが主催する、同社のアーキテクチャを主軸にした開発者向けのカンファレンス「Intel Developer Forum 2000 Fall Japan」(IDF Japan)が、東京都内のホテルを会場に9月18日〜9月20日の会期で開催されている。同カンファレンスでは、同社や周辺パートナーによる最新テクノロジーやソリューションが紹介されることもあり、業界から注目を集めるイベントではある。だが、8月末に米国カリフォルニア州サンノゼで日本に先行する形で「IDF 2000 Fall」が開かれている関係もあり、テクノロジー的に特に目新しい発表は少なかった。

 最近になり、インテルが主戦場とするプロセッサ業界では、デスクトップ分野でのAMDの台頭、そして低消費電力プロセッサのCrusoeで注目を集めるTransmetaなど、競争が激化している。また、携帯電話やPDAといったデバイスの興隆が業界の市場を広げたことで、PCで圧倒的シェアを誇るインテルの強みが活かせなくなり、PC向けプロセッサ以外の分野にも注力する姿が目立つようになってきた。その傾向は、今回のIDFはもちろんのこと、先日米国で開かれたIDFや、最近同社が発表したトピックに如実に表れている。

壇上では、Itaniumを16基搭載したNECのハイエンドサーバ「Azusa」が紹介された。OSは64bit-Windowsが動作しており、Terra Server(衛星写真のデータベース)によるデモが行われた。

 IDF Japanの基調講演で、米インテル インテル・アーキテクチャ事業本部 副社長兼IAソリューションズ推進事業部長のウイリアム・A・スウォープ氏は、インターネットが各業界にもたらす大きな変革について、「従来までの常識が通用しない世界。予測をし、次の行動を決めるのは難しい」とし、この新しい変革の波に乗るためには、「スピード」「世界や業種をまたいだ多様な販売戦略」「マス・パーソナライゼーション」といった要素が重要になることを説いた。その中で、同社がソリューションサービスに注力していることを示し、先日発表されたソリューション・センター設立の話をはじめ、ピア・ツー・ピア・ワーキンググループなど、同社の取り組みの数々を紹介した。

 これらソリューションに対する取り組みについて、まだ具体的な数字や成果は示されていない。だが、同社がこれまで築き上げたプラットフォーム資産と技術をベースに、ソリューションビジネスを展開することで、インテルプラットフォーム自体の活性化を狙う姿も見えてくる。IA-64のItaniumやPentium 4のリリースを2000年末に控え、今後の動向が注目される。

ワイヤレスLAN製品群を発表

 インテルは同日19日、ワイヤレスLAN製品「インテルPRO/Wireless 2011 LAN PC Card」「インテルPRO/Wireless 2011 LAN Access Point」の発表も行った。同社がシンボル・テクノロジ社と共同開発した最初の製品となる。

 新製品はIEEE 802.11b High-Rateに準拠、他社製品との互換があり、ワイヤレス・ネットワークの新規構築、既存のネットワークへのワイヤレス接続の両方が行える。40bitおよび128bitのWEP暗号化やワイヤレスVoIPもサポートした。ワイヤレス・ハブの「インテルPRO/Wireless 2011 LAN Access Point」とセットになったサイト・サーベイ・ツールでは接続状況を確認できる。

 同社通信半導体営業本部プロダクトマーケティングマネージャのヘンドリック・ヴァンダミアー(Hendeik J. van der Meer)氏は、製品の最大の特徴を「システム管理者がセットアップからリモート管理まで簡単に行えるソフトウェア」と語った。

 価格は「インテルPRO/Wireless 2011 LAN PC Card」が2万1900円、「インテルPRO/Wireless 2011 LAN Access Point」が10万9900円で、出荷は11月1日を予定している。

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