B2Bにフォーカスしたエキスポ、ICe開催

2000/9/27

 東京都内で、eビジネスとECについてのセミナー「ICe Tokyo 2000」が開催されている。41のセッションと展示により、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)や企業間(B2B)ECの最新動向を紹介する。初日の26日は2800名弱の来場者数があった。

 B2Bは急成長の市場で、日本の市場規模は1999年の12兆円から、2003年には5倍以上の68兆円に達すると予測されている。主催のIDGジャパン代表取締役社長の玉井節朗氏は、「企業同士をどう結びつけるかの提案から、未発達の日本のB2Bを推進したい」と開催の趣旨を語っている。

「IT知識+企業の概念とあり方を問い詰めることが肝要」基調講演

 オープニングの基調講演を飾ったのは、デロイトトーマツコンサルティングのパートナー鴨志田晃氏。「B2B eビジネス革命」と題し、インターネット時代に変革を迫られている日本経済について、アメリカの事情を交えながら日本企業の課題を提示した。

基調講演を行う鴨志田氏。「日本は大きなターニングポイントを迎えている。この転機をうまく捉えれば未来は明るい」。

 鴨志田氏はまず、「ITをインターネットの普及のみで捉えることは不充分である」と述べた。特に、企業のIT化と金融ビックバンが同時進行している日本では、企業、社会、産業を大きく変えていくものであるという認識が必要だという。

 ドットコム企業、ベンチャーの台頭、既存企業のクリック&モルタル化をへて、eビジネスは現在、ネットベンチャーと大企業が提携してB2B取引を行うステージにある。 鴨志田氏は、このステージのeビジネス革命を、eマーケットプレイス、eプロキュアメント(電子調達)、eCRM(顧客経営管理)、eERP及びSCM、ASPの5つに分けて解説した。

 5つのキーワードの共通点は、オープン、コラボラティブの仕組みをもつ企業へ生まれ変わること必要だということ。「B2Bマーケットはその巨大性だけではなく、経営マネジメントを根本から変え、B2Cとスパイラルに展開してB2B2Cにつながるところに革新性がある」と氏は続ける。

 代表例に、デルが導入した顧客とメーカーを直結したSCM、「デルモデル」を紹介し、eCRMにしろ、SCMにしろ本質を理解し、自社のビジネスモデルにどう適用するかの戦略あってこそ活きるシステムであることを強調した。

 これから大切になってくるのは戦略的提携と鴨志田氏は見る。「ERPに代表される企業内統合から、バーチャルコーポレーションに代表される企業間連携の時代。中身のある提携とITが、ネット革命を推進する両輪になる」。

最新動向を紹介する各企業の展示ブース

 会場では、SCM、eマーケットプレイス、e プロキュアメントなどの最新ソリューションのデモンストレーションが行われており、参加者は展示商品の説明に熱心に耳を傾けていた。

会場で熱心に話を聞く参加者

 ウェブリッジ・ジャパン株式会社のブースでは、刻々と変化するビジネス環境に柔軟に対応するフレキシブルなシステムの構築を可能にする「Webridge eBusiness Express」を紹介している。同社によれば、Webを使ったビジネスを立ち上げる際、自社で大規模なシステムを構築するとなると年単位の時間と億単位の投資が必要となるが、同製品では、わずか4分の1程度のコストでサイトの構築が実現するという。

 また、株式会社コマース21では「BtoB Solution」を展示中だ。「XMLをベースにしたオープンアーキテクチャにより、バイヤーとサプライヤー双方のビジネスモデルに最適な取引環境を実現する製品」と担当者は語る。

  ビジネスモデルの良し悪しもさることながら、今eビジネスの鍵を握るのは、いかに早く、大規模なシステムを構築し、ビジネスモデルを具現化できるかにあるといえそうだ。

 なお、「ICe Tokyo 2000」は東京のロイヤルパークホテルで27日まで行われている。

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(TechWeb/@ITNews)

 

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