Napsterに触発される電子決済
2000/9/28
(09/22/00, 7:59 p.m ET) By Mary Mosquera, TechWeb
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音楽ファイル共有サイトのNapsterの人気は、電子決済を実現するのに最適な技術としてピア・ツー・ピアの力を示すきっかけになったかもしれない。
Gartner Groupの支払システムリサーチディレクター、Avivah Litan氏は、「あと5年もすれば、NapsterやIntelで使われているようなピア・ツー・ピア技術が銀行取引に重大な影響を及ぼすようになるだろう」と語った。
インターネット関連会社、銀行、そして政府の関係者は9月22日、一般消費者や企業がどのようにして、プライバシー保護を維持しながら、一般消費者でも利用できるくらい簡単にインターネットショッピングの支払を行えるようになるのかを調査する。
財務副長官のStuart Eizenstat氏が、ワシントンDCで開催された電子金融トランザクションに関するカンファレンスで語ったところによると、安全性を確保した支払いシステムなしには電子商取引や経済は発達しないという。
それほど遠くない将来、コンシューマーや企業は、時間や場所を問わずにインターネットにアクセスできるデバイスのどれを使ってもオンラインショッピングができるようになる。ワイヤレスハンドヘルドデバイス、キッチンにある電子レンジ、もしくは流行おくれのPCからでも可能だ。
アナリストによると、B2B商取引は2002年までに、1兆2000億ドルともいわれるインターネット上での売上高の80%を占めるようになる見込みだという。
オンラインでのクレジットの詐欺件数はオフラインの10倍
現在の電子商取引では、実際には限られた金額しかオンラインで支払われていない。Eizenstat氏によると、1999年には1460億ドルがブラウジングもしくはオンライン注文で購入され、インターネット経由で支払われたのは200億ドル以下だったという。そして、その大半はクレジットカードによるものだった。
同氏によると、小売店における署名ベースのクレジットカード取引で起こる詐欺の10倍ものオンラインでのクレジットカード詐欺損害の大半を吸収しなければならない業者にとって、クレジットカードは高くつくという。だがEizenstat氏は、電子小切手やデジタルキャッシュシステムはまだ立ち上がっていないと見ている。
連邦準備制度理事会副会長兼理事のRoger Ferguson Jr.氏によると、いずれは各種電子決済システムが利用できるようになるが、どのシステムでもコスト、利便性、セキュリティ、および複雑性でトレードオフはあるだろうという。
Litan氏は、個人間(P2P)電子決済は現在の1%から、おそらく今後数年で30%に成長すると見込んでいる。同氏によると、Citibankが10月にP2Pサービスを発表するらしい。
P2Pの支払では、お金がまず、この消費者を認証する銀行の口座に振り込まれる。そして、信託名簿によって売り手側と買い手側の銀行を確認し、消費者が商品を購入する。支払いは買い手の銀行から業者の銀行へすぐに送金される。Litan氏によると、同様に、購入が既に認証されているため消費者の注文もすぐに処理されるという。
オンライン・トランザクションに必須の5つの技術とは?
「(確率はあまり高くないが)2005年までには、認証機関、電子エージェント、分散信託/検証名簿、そして標準のXMLベースメッセージングフォーマットが成熟し、カスタマーは購入/支払サービスをインテリジェントかつ信頼して利用できるようになる。売り手側は、営業やサービスで信頼度の高いカスタマーをターゲットにできるよう、顧客情報にインテリジェントにアクセスできるようになる」(Litan氏)
同氏によると、そこに至るには5つの重要な技術が必要だという。
--認証機関を他の認証機関による認証を合法と認める。認証を証明するためにパスワード、PIN番号、そしてデジタル証明を用いる。同氏によると、スマートカードが認証に利用されるようになり、PCにそのためのカードデバイスが装備されるようになるだろうという。
--支払トランザクションとともに、売り手と買い手の認証情報の相互検証を委託する確認サービスや名簿
--売り手と買い手のデジタル身分証明、プロファイル、嗜好および口座の入ったウォレット
--売り手と買い手のウォレットに入ったプロファイルに従って、買い手や売り手の代わりにバックグラウンドで動作するe-エージェント(デジタルの分身)。
-- ユーザーの仮想口座が、ユーザーが設定する自身の金融機関の口座によって補充もしくは割り当てができる流動的な口座であること。
[英文記事]
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