ISP回線の冗長化でWebアクセス速度を倍にする機器
2000/9/30
FatPipe社の「(Super)Stream」(写真は開発中のもの) |
あなたの会社のネットワークは、インターネットとどのくらいの太さの回線で接続されているだろう? 1.5Mbpsを超えるような回線であれば問題ないが、ISDNで64kbpsや128kbpsといった速度だと、ある程度以上の人数でシェアするにはきつい。かといって、1クラス上の光ファイバを用いた回線だと、場所的にファイバを引き回してくるのが困難だったり、維持費が急に高くなってしまう……。そんな悩みを解決する製品が日本に登場する。
FatPipe Networks社という米国のベンチャー企業が開発した「Extreme」という製品を利用することで、社内LANをインターネットに接続する際に、複数の異なるISPへの同時接続がサポートされるようになる(下記の図を参照)。同製品のメリットの1つは、ISPへの接続経路が冗長化されることである。接続先のISPが1つだった場合、もしそのISPがダウンしてしまうと、インターネットへのアクセスができなくなってしまう。同製品でISPへの接続経路を二重化しておけば、いざ片方のISPが使用できなくなっても、もう片方のISPへの接続でインターネットへのアクセスが維持できる。
Extreme(Stream/SuperStream)はISPへの接続回線を冗長化できる(FatPipe社のプレゼンテーション資料から抜粋、画面をクリックすると拡大します) |
もう1つのメリットは、ISPへの接続回線を用意した分だけ、社内LANからのインターネットへのアクセス速度が全体的に向上する点だ。たとえば、128kbpsのISPへのアクセス回線が3本あったとしたら、全体として384kbpsのアクセス速度が得られる。日本の場合、128kbpsから1.5Mbpsの間のアクセス回線の選択肢が、事実上ほとんどないため、このメリットは大きいだろう。また、パケット送信時に自動的に回線の軽いISPを選択する機能も備えているため、ネットワークの帯域を効率的に利用することが可能だ。
もちろん、同製品を使わなくてもBGP対応のルータがあればISPへの経路の二重化は可能だ。だが、BGP自体の設定が難しいのに比べ、同製品では接続して少しの設定ですぐに利用可能である。また、(経路情報的には遠回りだが高速にアクセスが可能な場合など)柔軟に経路を変更してのアクセス制御はBGPでは難しい。
今回、FatPipe社は日本市場への展開において、従来製品のXTREMEに加え、「Stream」「SuperStream」という日本市場向けの製品を開発、販売していく。Xtremeでは4Uサイズのラックマウント筐体にT1回線を3本サポートする中規模以上向けの構成となっているが、StreamとSuperStreamでは128kbps回線のサポートをメインにすることで、本体の低価格化を図っている。日本での販売代理店はプロサイドが担当し、10月中旬ごろから販売を開始していく。
製品名
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ポート数
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最大収容速度
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定価
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Stream
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4
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512kbps
(128kbps) |
35万円前後
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SuperStream
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4
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2Mbps
(T1+128kbps×3) |
55万円前後
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XTREME
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3
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50Mbps
(T1×3 or T3+T1+T1)など |
99万8000円
|
[関連リンク]
FatPipe Networks社のページ
プロサイドのページ
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