予測通りの内容となったOracle9i
2000/10/4
(10/02/00、2:09 p.m ET)By Antone Gonsalves、TechWeb
News
Gary Bloom氏 (写真提供:日本オラクル)
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米Oracleは10月2日、同社のアプリケーションサーバの新バージョンに関する概要を明らかにし、ワイヤレスアプリケーションの開発および導入の簡略化や、アクセス数の多いWebページをキャッシングしてインターネットのレスポンスタイムを改善する機能を売り込んだ。
さらに、アプリケーションサーバとともに同社の電子商取引および基幹業務向けインフラの心臓部を形成するOracle9iデータベースも公開した。このニュースはサンフランシスコで開催中の年一回のイベント、Oracle Open Worldで明らかになった。
基調講演の壇上でOracle執行副社長のGary Bloom氏は、同社がこれまで、エンタープライズアプリケーションやインターネット上でのビジネス運営のために完全な技術パッケージを提供することを目標としてきたことを参加者に伝えた。
「Oracleを使えば簡単に何でもできるようにした」(Bloom氏)
期待されるワイヤレス機能の強化
コンサルティング会社であるProgressive Sofware Computing社のデータベース及びデータウェアハウス技術ディレクターのAlan Reighn氏は、顧客のニーズとしてPDAを中心としたワイヤレス分野でのサポートの要求が多く寄せられていると語る。
Oacle8iデータベースはワイヤレスサービスに必要な機能を完備していなかった。Reighn氏の会社の営業で Oacleを使う場合、対象のラップトップに営業支援アプリケーションを設定する必要があった。
Oacle9iのワイヤレス関連機能は、少なくとももう少し充実したものとなるだろう、とReighn氏はいう。
同氏はさらに、ERPから電子商取引まであらゆるアプリケーションをインターネットで展開するために必要なインフラを提供するOracleの戦略について、Oracleが以前、オールインワンのソリューションを発表しながら、実際に市場に提供しなかったことに言及して、Oracleが確実に実現する限りは歓迎だ、と続ける。
(今回こそ)同社が言葉どおりに実行するかどうか、そのうちわかるでしょう、とReighn氏は語る。
この「Oacle9i Application Server」のキャッシング技術によって、カスタマーは頻繁にアクセスするWebページを(ダイナミックであれスタティックであれ)格納し、負荷のバランスがとれるようになる。同サーバでは、Java ServerPages、MicrosoftのActive Server Pages、そしてCGIを使ったページを格納することができる。
今回のアップグレードには、トラフィックスパイクの発生時やWebサイトのコンテンツが頻繁に変化するときにキャッシュのパフォーマンスを保証する特許申請中のサージ保護技術も搭載されている。
アップグレードされたシステム管理機能は、分散したアプリケーション、情報、およびサービスを統合して一カ所で処理する企業ポータルを実現する。このミドルウェアにはビジネスインテリジェンス機能も組み込まれている。
Oracleはサーバやデータベースの管理用として、Oracle9iプラットフォーム全体を管理するための単一コンソールを実現する「Oracle Enterprise Manager」の新バージョンを用意する。
Oracle9i Application Serverは10月の終わりにUNIX、Linux、およびWindowsの各バージョンが発売される。価格は明らかにされていない。
Oracle Open World会場の様子 (写真提供:日本オラクル)
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アプリケーションサーバもワイヤレスが目玉に
「Oracle9i Application Server Wireless Edition」は、同社の「Portal-to-Go」技術を強化し、電話通信会社、ASP、そして企業をターゲットにしている。
同サーバは、電子メールやディレクトリ統合用のアダプタをあらかじめ用意し、ロケーションベースサービスのサポートを強化した。Webサイト、コンテンツソース、およびデータベース利用に必要なカスタムアダプタを開発するための開発ツールも提供する。
ロケーションベースのアプリケーション用として、この新製品には、デベロッパーがネットワークを利用してモーバイルデバイスの位置をトラッキングし、住所の座標、地図の経路、そして行き方を作成できるようにするジオコーディング機能も搭載されている。
この機能は、特定の企業を紹介する職業別電話帳のようなアプリケーションを構築する際に役立つものだ。
Oracle9i Application Server Wireless Editionは12月にリリースが予定されている。
Oracleの一事業部であるOracleMobileは10月2日、Oracleによりホスティングされるワイヤレスアプリケーションの導入を加速すべく、「OracleMobile Online Studio」のベータ版を発表した。
このツールセットはOracleのデベロッパーWebサイト経由で提供される。ホスティングする新しいワイヤレスアプリケーション作成にあたり、デベロッパーによるASP、JSP、CGI、PERL、PL/SQLベースの既存Webアプリケーションのインフラ強化が可能となる。OracleMobile Online Studioのベータ版は既に提供中だ。
マーケットプレイスを意識したデータベース
最新バージョンのOracle8iの出荷3カ月後に公開するOracle9iデータベースは、ASPや業者間取引所をターゲットにしている。
Oracleは、「iHost Authorized Application Provider」プログラムを7月に立ち上げた。同社はほかにも、複数の企業間(B2B)マーケットプレイスに出資を行い、株式を取得した。
2001年の半ばに出荷が予定されているOracle9iは、サービスプロバイダーやB2Bマーケットプレイスに対し、10倍以上のスケーラビリティ、リアルタイムクラスタリングサポート、そしてネイティブXMLサポートなど、さらなる高可用性を提供する。
リアルタイムクラスタリング機能により、カスタマーはデータを再分割することなくクラスタにノードを追加できるようになる。さらに、アプリケーションのクラスタリングも大幅に強化される。
ASPやB2Bマーケットプレイスへのもう1つメリットとして、Oracleは同社のInternet Directoryのようなインターネットベースのサービスを作成したり、利用するためのオープンプラットフォーム、「Oracle Dynamic Services Framework」を発表するとも言われている。
Oracleは、インターネットのコンテンツや独自のデータ向けのレジストリ、ストレージ、および認証センターなどに利用してもらうべくこのディレクトリサービスを用意した。
Oracleのアプローチは、先日Microsoft、IBM、およびAribaが提案したUDDI(Universal Description、Discovery, and Integration)標準と似通ったものとなっている。
[英文記事]
Oracle
Unveils Oracle 9i As Expected
[関連リンク]
Oracle E-biz Network
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