「AS400」「Netfinity」などの名称が消滅、
IBM、全サーバ共通のブランド名を発表
2000/10/5
日本アイ・ビー・エムは10月4日、企業システムのインフラ構築のためのサーバ製品群およびサービス体系を一新したと発表した。新しいサーバ製品群は「e server(イー・サーバー)」と呼ばれ、同社が従来まで販売していた「S390」「RS6000」「AS400」「Netfinity」といったサーバ製品群は順に「e sever」ブランドに統一されていくことになる。
新しいITインフラモデルの提供についてプレゼンテーションをする日本アイ・ビー・エム社長の大歳卓麻氏 |
同社が今回発表した内容の骨子は、(1)サービス体系、(2)ソフトウェアインテグレーションへの取り組み、(3)「e server」製品群の3つに分けられる。
サービス体系については、従来まで一部サーバ製品に適用されていたものを全サーバ製品に拡大したほか、新しいサービス料金体系の提案が行われた。今回発表されたサービスは次の5つ。
- CUoD(キャパシティ・アップグレード・オン・デマンド)
企業システムやWebサイトにおいて、急激にトランザクションが増加したときに備えて、システム導入時に、あらかじめ予備のプロセッサやHDDをシステムに配置しておく。利用者は、トラフィックが増大したときにこれら予備のプロセッサやHDDを追加料金で利用することができる
- リモート・サービス
遠隔操作でリモート監視サービスを提供
- ハイ・アベイラビリティー・サービス
24時間365日の稼働を実現するために、各種調査や提案
- ビジネス・リカバリー・サービス(BRS)
災害時に備えBRSセンターでバックアップサービスを提供
- ワークロード使用料金方式
事前に設定したワークロードを基準にソフトウェア料金を設定。ワークロードを超えた分については、追加料金を支払うことで対応可能。これまでは、突発的なワークロードの増加に備えて高い料金でシステムを構築することが多かったが、新しい料金体系により、ソフトウェアにかかるコストを節約できる
ソフトウェアインテグレーションについては、EJB(Enterprise Java Beans)コンソーシアムなどオープンスタンダード組織への参加、Linuxサポートセンターの設立とシステム・デザイン検証施設「e-TPデザイン・センター」の設立いった取り組みのほか、複数のソフトウェアや機器を組み合わせたソリューションパッケージ「GrowNow Series」が紹介された。
また、従来まで複数ブランドに分けられていたサーバ製品群が統一され、新たに「e server」ブランドの名称で4つのシリーズの製品体系に変更された。各シリーズの概要は下記の通り。
- zSeries
ダウンタイム・ゼロを目指したサーバ製品群。全シリーズ中でもっとも大規模な環境をサポートする(旧名:S390)
- pSeries
頭文字のpはperformanceの略で、処理性能に主眼を置いたUNIXサーバ製品群。SOIや銅配線プロセッサといった最新技術を用いる(旧名:RS6000)
- iSeries
頭文字のiはintegrationの略で、アプリケーションの統合を特長とするサーバ製品群。そのほか、短期間での導入が可能な点と、保守・運用のしやすさが特徴(旧名:AS400)
- xSeries
インテルアーキテクチャを用いたサーバ製品群。PCのテクノロジーにさらに可用性を高めるIBMの「Xアーキテクチャー」と呼ばれる技術を導入(旧名:Netfinity)
[関連リンク]
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