英Taoがジャストシステム、アスキーと組込み型Javaで提携
2000/10/12
英Tao(本社:英国)、ジャストシステムとアスキーは10月12日、Taoが開発した情報家電、携帯電話向けの組込型Java環境「intent」の日本語化で提携したことを発表した。英Taoは、コンシューマ用マルチメディアデバイスの上で“Write Once, Run Anywhere”でかつ高速な実行を実現するプラットフォームを8年間の歳月をかけて開発してきた。intentは、そのプラットフォームである仮想CPU「Elate」にJava環境「intent Java Technology Edition(intentJTE)」を統合したものだ。アスキーは1996年、英Taoと同プラットフォームのJava環境統合に関する共同開発契約を締結、資金提供と日本語入力システムのインターフェイス部分の開発で協力してきた。
今回のジャストシステムの参加は、ジャストシステムがintent向けの日本語変換システム「ATOK」を開発するというものだ。同社は今後、intentを採用するベンダーに対し、ATOKを提供するとともに、intentを使った情報家電向けJavaアプリケーションの構築を進める。一方、アスキーは英Taoの販売代理店として、ライセンスの販売とマーケティング活動を行っていく。
intentの主な適用分野は以下の通りだという。
- 携帯電話
- 携帯情報端末(PDA)
- デジタルテレビ、セットトップボックス
- ネットワークコンピュータ
- カーナビゲーション
- ビデオゲーム機
英Taoは、今後日本市場において様々なメーカーに対しintentのOEM供給を積極展開し、これを採用した製品を誕生させたい意向だ。これから先にも大きな提携が予定されているが「現時点では明かすことができない」(会長兼CEO、Francis Charig氏)という。
intentでは、仮想CPU「Elate」がアプリケーションと実CPUとの間に入ることで、Elateをターゲットにプログラム開発を行えば、同じアプリケーションがあらゆるCPU上、OS上で動作する環境を実現している。もう1つの特徴は、実行時に仮想CPUのコードを実CPUのネイティブコードにコンバートし、高速に実行することだ。intentJTEは、Elate上で動作するJava VMとJavaのプロファイルである。intent向けに開発したJavaアプリケーションは、最終的にはネイティブなコードに落ちて高速に実行される。
intentは、Elateをコアに据えた構造をもっているため、JavaだけでなくC++やアセンブラなどの言語にも対応している。これは組込み機器が要求するリアルタイム処理の精度を保障するためには朗報だ。つまり、Javaでは予期できないタイミングでガベージコレクタの処理が走る。だが、C++やアセンブラのコードであればその不安はない。C++やアセンブラで開発したプログラムが、異なるリアルタイムOSやMPUの上で動作するわけで、ソフトウェアの生産効率から見て、組込み機器向けのソフトウェア開発スタイルに革命的な出来事をもたらすことになる。
●intentが対応するCPUとOS
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*印のOSは対応予定 |
[関連リンク]
英Tao
株式会社ジャストシステム
株式会社アスキー
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