Sunの新たな役割はLinux支援?
2000/10/20
(10/17/00, 9:18 p.m ET) By Barbara Darrow, TechWeb
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Sun Microsystemsは、マイクロプロセッサとSolaris OSでその名をはせた会社である。そのSunのLinuxに対する誰の目にも明らかにあいまいな態度は、オープンソースコードのファンをいらだたせている。
「Sunは有力Linuxベンダーになる」とMcNealy氏
しかしSunの会長、Scott McNealy氏が10月17日に語ったところによると、Cobalt Networks買収計画や、自社のミドルウェアの大半がLinuxに対応するという事実を考えれば、同社が有力なLinuxベンダーになるのは当然の予測結果という。
McNealy氏はGartner Symposium/ITxpoで、「SunはLinuxベンダーのトップに立つことになるだろう。何と言われようと、LinuxはUNIXであり、Sunは最大かつ最高のUNIXベンダーだ」と語った。さらに、「われわれは絶対にLinuxでナンバーワンになる。われわれが持つLinuxの経験を活かし、いつでもRed Hatに挑戦するつもりだ」(McNealy氏)
それでも、Cobalt買収の一件では、現在Cobaltのハードを稼働させているAdvanced Micro Devices(AMD)のマイクロプロセッサとLinuxOSを、SunがUltraSparcsとSolarisに交換してしまうのではとの疑念を残したままだ。
McNealy氏は、まだ手続きが完了していないことを理由に、Cobalt買収の詳細についてはコメントを控えたが、サーバアプライアンスは「中身の見えない単一機能のデバイス」になる傾向がある、と語る。そうなれば、アプリケーションを動かすソフトウェアの複雑性はユーザーにはほとんど見えない。
「この点については大詰めに来ているので、今はお話しすることはできない」(McNealy氏)
観測筋によると、携帯電話をはじめとするアプライアンスライクなデバイスは、密閉されたブラックボックスとして複雑性を隠して販売されているという。これらのデバイスは単純に機能するだけであり、ユーザーがアップグレードや基盤技術を気にする必要はなく、機能も単純なものになっている。
これは、依然としてさまざまな企業が互換性の問題を引き起こしているハードウェアやソフトウェアを発売している今のPCの世界とは大違いだ。
もちろん、ウインテル陣営は、自分たちの価格はSunが自社ハードウェア向けに発売するものよりもはるかに安い、と主張する。
バックエンドのアプリケーションを稼働させるにはパワフルなサーバに依存するというブラックボックスの世界観が、最大のインテリジェンスをネットワーク上の大型コンピューターに置くというSunの戦略にとって都合がよいことは明らかだ。そして、データや複雑性の大半はバックエンドにあるため、ユーザーがこのことを気にする必要はない。
McNealy氏の主張によると、このような世界では、マイクロプロセッサが家庭、オフィス、および車に分散しているため、内部のチップのブランドや、その稼働体系は問題ではないという。 自分の携帯電話を手に、「100個のマイクロプロセッサを搭載した自動車のバイナリ命令セットのことなどだれも考えない。携帯電話のバイナリ標準を知っている者などいないだろう」と語る。
McNealy氏は、Linux向けにStarOfficeを提供するほか、Linux用のForte for JavaおよびJava 2を投入することで、SunはLinuxOSをサポートしていると主張した。
オープンソースは戦略にはなり得ない?
だが、Sunの主な収入源であるワークステーションやサーバで動作するLinuxを同社が本当にサポートするのかといった大きな問題には、議論の余地がある。
Sunは自社のWebサイトで、「Red Hat Linux 2.1」、「Caldera Systems OpenLinux 2.2」、および「Debian 2.1」がUltraSparcワークステーション/サーバで動作するとしている。
ただし、この公開情報には「参照されているSun Microsystems製ではない技術や出版物は“現状のまま”で提供されるものであり、どのようなテクニカルサポートも保証もない」という内容の注意書きが添えられている。
同サイトは、同ソフトウェアに対する協力で複数の独立したソフトウェアのエンジニア(カリフォルニア州のDave Miller氏、ベルギーのEddie Dost氏、チェコ共和国のJakub Jelinek、そしてメキシコのMiguel de Icaza氏)の功績を称えている。Sunでは彼らにワークステーションと技術情報を提供している。
しかし、SunはStarOffice(LinuxベースのOfficeクローン)を無償で提供しているものの、オープンソースが同社にとってカギとなる製品の市場投入戦略になることはないと思われる。
McNealy氏は質問者に対し、「オープンソースは戦略ではない。私にはGartnerがオープンソースを導入し、すべての資料を無償で出版することなど考えられない」と語った。会場の数千人のIT関連幹部はこの言葉に対して大きな拍手を送った。
[英文記事]
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