10ギガビットイーサネット時代、目前に――「e-Drive」開催

2000/10/24

 東京・青山TEPIAで、広帯域IPソリューションの展示会「e-Drive」が開催されている。開幕を飾った基調講演は、エクストリーム ネットワークス社プロダクト・マーケティング・ディレクターのトニー・リー(Tony Lee)氏による“10ギガビットイーサネットとその影響について”。満員の会場で、10ギガビット・イーサネットを中心に次世代のネットワークについてリー氏が語った内容をレポートしたい。

トニー・リー氏「イーサネットの役割が拡大する」

標準化が進められる10ギガビットイーサネット

 イーサネットは、1982年に10Mbpsのイーサネットが誕生して以来、ファスト・イーサネット(100Mbps)、ギガビット・イーサネット(1000Mbps)と10倍ベースで速度を伸ばし、毎秒10ギガビットの速度で情報が送信できる10ギガビットイーサネットの時代も遠い将来ではなくなった。

 今年初めに米国に設立された10ギガビットイーサネット・アライアンスは、2002年3月を目指し10ギガビットイーサネットの標準化を図る団体で、メーカーだけでなく通信系キャリアも含め80社以上が参加している。この組織の議長を務める同氏は、メーカーの効率の良い生産やユーザーのスムースな導入のためにも、標準化の必要性があると強調する。同団体では現在、仕様の定義を終え、相互運用性の検証の段階にあるという。策定中の10ギガビット・イーサネットの規定となるIEEE802.3aeは、基本的にこれまでのイーサネット・アプリケーションがサポートできるもので、IEEE802.3のフレームフォーマット、フレームサイズの上限・下限を保持し、IEEE802.3adリンク・アグレゲーションをサポートするものになる予定だという。

新しいイーサネットの利用法、MANとは?

 このほか、リー氏は、10ギガビットイーサネットを利用して、MAN(Metropolitan Area Network)と呼ばれる都市圏ネットワークを中心とした将来の環境予想を語った。MANは、これまでのLAN、WANなど構内でのイーサネット利用を超え、範囲が直径10〜100Km程度の都市全体での利用形態を指す。すでに世界の一部の都市では構築がすすんでおり、米オレゴン州のヒルスブロ市では、市役所、警察、図書館、消防署などをMANでつなげたネットワークを構築した。

 同氏のイメージする、家庭、企業、xSPやデータセンターがMANでつながった“Broadband、IP、Ethernet everywhere”環境を実現するには、広帯域、IP、イーサネットの統合が不可欠だという。それには、レイヤー3スイッチング技術を土台に、トラフィックの分類・優先順位付け、広帯域のアロケーション管理、統合型サーバーの負荷分散などの技術が積み重なり、最終的には、コントロールと可用性に関して「サービス品質(QoS)が鍵を握る」と同氏は見ている。

年末にも製品登場か?

 今年5月に米ラスベガスで開催された「NetWorld+Interop 2000」では、10ギガビット・イーサネット対応のスイッチが展示され話題を呼んだ。スイッチ市場では大手のエクストリーム ネットワークス社では、時期を見て販売する予定だという。

 「e-Drive」では、各公演、セミナーのほか、ネットワーク製品ベンダーの展示会場も併設されている。日本に進出していないベンダーも参加しており、最新のソリューションを目の当たりにできる。同イベントは10月24日まで開催されている。

[関連リンク]
「e-Drive」
10ギガビットイーサネット・アライアンス

 

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