IBM、2種のアプライアンス・サーバを発表

2000/10/28

 IBMは10月27日、Webサーバ「IBM e server xSeries 130」とNAS(ネットワーク・アタッチト・ストレージ)サーバ「IBM e server xSeries 150」の2機種3モデルのアプライアンス・サーバを発表した。

 アプライアンス・サーバとは基本となるソフトやアプリケーションが導入済みで、購入後すぐに利用できる特定用途向けの単機能サーバをいう。セットアップが簡単なことと容易に運用できることから、1999年末頃から徐々に導入が増えており、2003年の日本の市場規模は2000億円弱と予想されている。中でもNASとWeb分野ではソリューションとして選択される傾向が強い。

 今回同社が発表した2製品は、先日再ブランディングを行った「e server」ブランドのうち、インテルアーキテクチャ・ベースの独自「X-アーキテクチャ」に基づきオープン性を特徴とした「xSeries」の中に含まれる。共通の基本OSに、マイクロソフト社がWindows 2000 Advanced Serverをベースにアプライアンス・サーバ用に最適化したMicrosoft Powered OSを搭載し、WebサーバやNASサーバに必要なアプリケーション、セットアップ用ツール、システム管理ソフトなどはすでに導入されている。

 「IBM e server xSeries 130」はWindowsベースのラック型WebおよびWebキャッシュサーバ。筐体は1U(約4.4cm)で、CPUにPentium IIIプロセッサ800MHzを搭載し、SMP構成にも対応する。Web機能としてはMicrosoft IIS 5.0を採用した。

 NASサーバ「IBM e server xSeries 150」は、ワークグループ向けタワー型の「8658-33Y」と、部門向けラック型の「8658-3XY」の2種類ある。モデル33YではCPUにPentium IIIプロセッサ800MHzを 1基、モデル3XYには同プロセッサを2基搭載した。36.4GBのHDDをそれぞれ3機、6機搭載し、再大容量はそれぞれ218.4GB、1.7TB。データ量の増加に伴い柔軟にディスクを増設できるという。複数のファイルプロトコルをサポートしており、Windowsのほか、Novell、UNIXからもアクセスが可能。

 ストレージのバックアップ機能にドライブの“snap shot”を作成するColumbia Data Productsの「Open Transaction Manager」を採用した。そのほか、管理ツールの「Netfinity Director」も標準ソフトウェアとしてプリロードされている。新製品のベースとなる既存製品「Netfinity 5100」を利用してシステム構築した場合と比べ、25〜30%程度コストが削減できるという。

 同社では、アプライアンス・サーバとしてすでにLinux対応のWebサーバの開発意思表明をしているが、製品の発表は来年はじめになるという。ラインナップとしてメールサーバなど拡充していく予定だ。

 同社Netfinity&solution事業部事業部長の藤本司郎氏は、「インフラで顧客のシステム変革を手伝っていく。そのためにサーバに求められる機能はオープン性、スケーラビリティ、使いやすさ」と、新ブランド名で展開するサーバビジネスに注力する姿勢を見せた。

製品名 主な仕様 価格と
出荷予定日
「IBM e server xSeries 130」
  • プリロード済みOS
    ・Microsoft Powered OS
    ・Microsoft IIS5.0
    ・Netfinity Web Server Accelerator V2
    ・Advanced appliance configuration utility
    ・Netfinity Director 2.12 UM Server Extensions (エージェント機能のみ)
  • Pentium III 800 MHz(133MHzフロント・サイド・バスと256KB ECC L2アドバンスド・トランスファー・キャッシュを搭載)
  • メモリ256MB(標準)
65万円
2000年12月15日

「IBM e server xSeries 150
 8658-33Y」

  • プリロード済みOS
    ・Microsoft Powered OS
    ・ServeRAID Maneger RAID Configuration and Monitoring utilities
    ・Columbia Data Products Open Transaction Manager
    ・Advanced appliance configuration utility
    ・Netfinity Director 2.12 UM Server Extensions (エージェント機能のみ)
  • Pentium III 800 MHz
  • メモリ256MB(標準)
  • ディスク容量109.2GB、36.4GB HDDを3個標準搭載
  • 10/100Mbps Ethernetポート×2
145万円
2000年11月24日
「IBM e server xSeries 150
 8658-3XY」
  • プリロード済みOS
    同上
  • Pentium III 800 MHz
  • メモリ1GB(標準)
  • ディスク容量218.4GB、36.4GB HDDを6個標準搭載
  • 10/100Mbps Ethernetポート×4
410万円
2000年12月15日

 

[関連リンク]
IBMの発表

[関連記事]
「AS400」「Netfinity」などの名称が消滅、 IBM、全サーバ共通のブランド名を発表 (@ITNews)
MSとIBMが手を組み推進する「Web Services」とは何か (@ITNews)
ネットワーク・アプライアンス社が ハイエンド向けNAS製品を発表 (@ITNews)
コンパック、新ブランド「iPAQ」で新製品とサービスを提供 (@ITNews)
日立製作所が1Uの薄型サーバを発売 (@ITNews)

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)