ついに50%を超えた!米国でインターネットが浸透

2000/12/21
(12/18/00, 12:49 p.m ET)By Mary Mosquera, TechWeb News

 12月18日に公表されたインターネットの利用率調査によると、米国家庭の半数以上がインターネットにアクセスするようになり、サイバーユーザーの注意持続時間も長くなっているという。

 ニューヨークにあるサイバー視聴率調査サービス業者、Nielsen/Net Ratingsによると、11月時点で米国の人口の56%が家庭からインターネットにアクセスしているという。この数字は昨年同期の43%から一気に急増している。

 このレポートによると、11月には1億5380万人以上の個人がアクセスしたが、これは同年10月比で2.8%増となり、1億1840万人だった1999年11月比では30%増になるという。職場では、10月比で1.8%増の3920万人がインターネットにアクセスしている。

 NetRatingsの解析サービス担当副社長、Allen Weiner氏は、「ドット・コム企業各社の業績下降ばかりが大きく注目されるが、Webは現在も主流であり続けている。電子挨拶状の送信など、昔からの作業を新しい効率でこなせるようにしてくれるものが増えつつあり、ユーザーはそれに価値を見いだし、インターネットを利用する人は増加している」と語った。

 毎月のWebページビューは今年になって32%も急増し、人々がサイト上のコンテンツをさらに綿密に見るようになったことが示されている。

 「Webアクセスが急増を続ける中、オンライン対応の遅かった従来の企業も、新しいクロスメディアの機会が多くの消費者に訴求することに気づき始めている。消費者がラジオやテレビだけから宣伝メッセージを受け取るのではなく、ネット上でブランドの認知度を強化することが予想され、全体的に効率的なマーケティングの原動力へとつながっていく」(Weiner氏)

滞在時間数ではYahooがトップ

 家庭と職場を合わせた別々の視聴者を対象にした調査によると、インターネットで最も人気の高い場所はAmerica Onlineと同社のファミリーサイトで、それにYahoo、MSN、Microsoft、そしてExcite@Homeが続いた。たとえば11月には、7010万人の家庭および職場のWebユーザーが1カ所以上のAOLサイトを訪問し、各自がそのサイトに平均で44分間滞在した。

 だが、第2位のサイトであるYahooは、トップのAOLを含む上位20サイトの中でどこよりも長い時間ユーザーを引き留めた。Yahooには6590万人のユーザーが訪れ、サイトに平均で1時間37分間滞在した。

 インターネットをサーフィンしたサイバー市民の数は11月の方が10月より少なかったが、注意持続時間は長くなった。Webユーザーは、家庭では平均で18セッション(10月の5.3%減)、職場では40セッション(前月の7%減)にログオンしたが、これは感謝祭の連休が要因となったかもしれない。

 家庭からアクセスするサイトの数は横這いだが、職場からアクセスするサイトの数は減少した。だが、サーフィンの時間やページ上での滞在時間は10月よりも11月の方がやや長かった。

バナー広告はフレーズが勝負?

 バナーの印象度で順位を決定した広告主のトップはTRUSTe(プライバシー問題処理組織)で、26億人の延べ到達者数と36.9%の到達度を獲得した。この延べ到達者数は、バナー広告がユーザーの画面に完全に読み込まれる毎にカウントされる。2位はMicrosoftで、19億人の延べ到達者数と56%の到達度を獲得した。

 家庭と職場の両方で到達度が最も高かったバナー広告はBonzi Softwareで、同社は、「Warning: Your Internet connection is not optimized」(警告:あなたのインターネット接続は最適化されていません)というクリエイティブなバナー広告を展開している。

日本では22%で低い伸び―NRIが発表

 一方、12月20日、NRI野村総合研究所がインターネット個人利用率の国際比較調査結果を発表した。同社の発表によれば、日本は22.8%で、韓国の31.2%やシンガポールの39.2%をしたまわる結果となった(なお、同社の調査での米国の利用率は48.9%)。なお、3年間の伸び率を示すポイントでは、日本は17ポイント、一方の韓国の20ポイントという顕著な伸びと比べると低い数値となっている。

 同社のレポートでは、ADSLやCATV回線などのインフラ整備の遅れが、原因となっているとの見解を行っている。

*この記事は一部編集しています。(@IT編集局)


[英文記事]
Net Penetrates More Than Half The U.S.

[関連リンク]
Nielsen/Net Ratings
NRI野村総合研究所の発表資料

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