NTTドコモがiモードJava携帯端末503iシリーズの出荷を発表
2001/1/18
NTTドコモは1月18日、Java実行環境を搭載したiモード端末「503iシリーズ」を、1月26日に全国一斉に出荷することを発表した。
「デジタル・ムーバ F503i HYPER」 |
今回発売される機種は松下通信工業製の「デジタル・ムーバ P503i HYPER」と富士通製の「デジタル・ムーバ F503i HYPER」だ。その他のメーカー製の503iシリーズ端末は、2月以降の出荷になる模様だ。
Javaをベースにした新サービスの名称は「iアプリ」という。503iシリーズからiモードに接続し利用できるiアプリ対応のコンテンツは、1月26日の時点で32メニュー38サイト以上。ゲームや金融関連のアプリケーションを携帯電話にダウンロードして利用することができる。
iアプリは、「Javaをベースにした」という表現の通り、サン・マイクロシステムズ社が仕様を策定しているJava2 Micro Edition(J2ME)の携帯電話用プロファイルであるMIDP(Mobile Information Device Profile)とは完全な互換性を持たない。
NTTドコモが独自の仕様拡張を行ったAPIが用意されており、サン・マイクロシステムズが提供するWireless Tool Kitを拡張した開発環境の中で「Doja」と呼ばれる。同じく年内にJava対応携帯電話を発表する予定のJ-フォンは、英国ボーダフォンなどともにMIDPに完全準拠した携帯電話の開発を表明しているが、ドコモは独自の路線を選択した格好だ。なお、KDDI(au)も年内にJava対応携帯電話を発売する予定だが、こちらはドコモ路線と互換性をとる方針のようだ。
さらに、iアプリでは、携帯電話メーカーに独自の拡張を許しており、Javaの大きな特徴である「Write Once,Run Anywhere」のメリットが成立しない恐れもある。携帯コンテンツプロバイダは、結局は携帯電話ごとにアプリケーションを書き、テストが必要なケースも出てきそうだ。
しかし、ピュアなJavaではないとはいえ、現状のMIDPの仕様のみでは携帯電話の機能をフルに活かせないのも現実問題としてある。今回の拡張は、より充実したサービスを提供するための仕方ない選択だったともいえる。拡張された内容は、HTTPSに対応することによるセキュリティ機能の強化、低レベルのグラフィックス制御、ダイヤログやボタンに関するクラスの追加などに加え、iメロディやiモード用の絵文字のサポート、GIFフォーマット(87/87a/89a)のサポートなどがあげられる。
ところでNTTドコモは、資本提携先のオランダの携帯電話大手KPNモバイルなどと共同で、今年3月に共同企業体「モバイル・マルチメディア・ジョイントベンチャー」を設立。年内に欧州でiモードサービスの提供を開始することを発表している。欧州でもiアプリのサービスが普及するとなると、NTTドコモのDojaが将来の現実的な携帯電話向けプロファイルとして採用される可能性もあるだろう。
(Java Solution 宮下知起)
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